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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第1章 始まり
20/83

第二十話 フーライラⅠ

 フーライラは、700年前に多くの街や村を滅ぼした魔物の一体だそうだ。危険ランクをつけるならば、SSランクに成るであろう魔物だ。

 フーライラは、勇者ツバサと選ばれし巫女たちによって倒された。雷を纏い空を飛ぶ姿から、サンダーフェニックスとも呼ばれているらしい。


「なんでこんな化物が復活してんだよ!! これも新魔王軍の仕業か……」


 ザルーガさんがそう言った瞬間、フーライラが鳴き声を上げた。フーライラの体がビリビリとなると、雷が街に降り注いだ。その雷によって街がどんどん破壊されていく。


 街の人はフーライラから逃げようと必死に逆の方向に走り始める


「ジーラ!! 俺とお前で街のやつらが逃げる時間を稼ぐ! 」


 ジーラさんは頷き、二人はフーライラに向かって走り出した。


「ザルーガさん! 俺も一緒に戦います」


 俺もザルーガさんたちと一緒にフーライラと戦いに行こうと走り出すが……


「ダメだ。いくら勇者だとしても、お前は上級魔法を覚えたての初級冒険者だ! 」


 ザルーガさんは、初級冒険者だが上級魔法を覚えているので、上級冒険者ぐらいの力はあるが、俺には魔物と戦う経験が足りないと言いたいのだろう。


「だからソラたちは、逃げ遅れている人に手を貸してやってくれ」


 この街は今、パニック状態になっている。その中には、泣いて立ち尽くしている子供やフーライラの雷によって破壊された家などの瓦礫で、怪我をしていて動けない人もいる。


「わかりました。ザルーガさん、ジーラさん危なくなったら絶対に逃げてくださいよ」


 そう言って俺とリラは、【アクアフォース】を使い、全身を強化をして、逃げ遅れた人の救助に向かった。


「大丈夫ですか?」


 俺は足を怪我した動けなくなっている男性に声を掛けた。


「足を瓦礫にやられてね……身動きが取れないんだ」


「少し痛むところがあるかもしれませんが、我慢して下さい」


 俺は足を怪我した男性をおぶさった。


「すまない……君みたいな人がいてくれて、本当に助かったよ」



 俺は足を怪我した男性を連れて、リラのところに向かった。リラは泣いていた子供の方に行っている。


 俺はリラと合流すると……


「リラ、取り敢えずここから離れている教会に移動しよう」


 俺たちは教会に移動して、救助した人たちを一旦教会に避難させた後、俺とリラは他に逃げ遅れた人がいないか探しに行った。



 そして……



「どうしようソラ……」


 今俺たちは、逃げ遅れた人が多すぎて動けない状態にある。

 今も後ろからは、フーライラの鳴き声と共に、雷の落ちる音がしている。


(何か……ここにいる人たちを……移動させる方法は無いのか……)


 俺は何かいい方法が無いか考えるが、何も思いつかない。


 ふとリラを見ると、考えている俺を見て不安そうにしていた。


(あっ!!)



 俺はリラを見て一つの方法を思いついた。


「リラ! エア・フールを使えば! みんなを運べるんじゃ無いか?」


 【エア・フール】とは、マーシさんがエートスを持ち上げた魔法のことだ。


「わからないけどやってみるよ!!」


 【エア・フール 】は風属性の 上級魔法だ。風の力を使ってものを持ち上げる魔法。持ち上げる数や大きさは、使う魔力の量によって変わる。


 リラは【エア・フール】を使い、怪我をしている人や子供を持ち上げた。持ち上げられた人たちは驚いていたが、すぐにリラが魔法を使ったのに気付いてホッとしていた。


「リラ。そのままで動けるか?」


 リラは魔法を使ったまま一歩……二歩と歩く、それに連れて持ち上げられていた人たちも動いていた。


「大丈夫みたい。魔力の減りは早いけど……でもこのペンダントを付けてから風属性の魔法を使うのが楽になったんだよ」


 『どこまででも行ける気がするよ』とリラは言った。リラの首に下げた、『風の巫女のペンダント』が緑色に輝いている。


 『風の巫女のペンダント』には、マーシさんが言った、風属性魔法の威力が上がる効果とリラが言った。風属性魔法を使うための補正能力効果があるのだろう。


「それなら……リラはそのまま出来るだけ遠くに逃げてくれ。それが今のリラの使命だ」


 俺はリラから背を向ける。


「ソラ……行くんだね……ザルーガさんたちのところに……」


 結局は、フーライラをどうにかしない限りは、どこに逃げても意味は無い。


「あぁ……俺がフーライラを倒す」


 レーアス様には力を貸すと……


 リラには俺が守ると言った。


 それならフーライラを倒すのは俺の使命だ。俺は、『サフィーク』から『聖剣アルダート』を取り出した。


「いってくる」


 『聖剣アルダート』に魔力を込めると、『聖剣アルダート』が輝き出し、その輝きが腕から全身に回る。 リラ以外の人は俺に何が起きたのかわからない様だった。

 今回はエートス戦の様に魔力を全部込めるのではなく、調節をしている。魔力切れを起こさない為にだ。


「ソラっ!! ……頑張って!」


 俺は急いでザルーガさんたちのところへ向かう。



 今もフーライラは街を破壊し続けている

サブタイトルに第二十話としか書いてなかったので、

サブタイトルを変更しました。

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