↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第1章 始まり
19/83

第十九話 雷の鳥

 ロナテーナには、次の日の昼まで滞在していた。

 帰りは魔物に会わなかったが、ルーブビレに近づくにつれて騒がしくなっていく。


 ルーブビレの門に着き、街の中に入ると、ザルーガさんと貴族みたいな人、防具だけボロボロの冒険者を中心に、凄い人だかりが出来ていた。

 その人だかりの中には、ジーラさんやペルスさんの姿もある。俺たちは、ジーラさんの所に向かい、何があったか聞きに行こうとしたら、ザルーガさんが大声で……


「王都から討伐隊を呼ぶが、もしもの時の為、この街から逃げ出せる準備をしておけ!!」


 ザルーガさんの言葉に、人だかりが解散していった。


「ソラなんかやばそうだよ」


 リラが不安そうな顔をする。


「大丈夫。俺がリラを必ず守るから」


 俺はそう言ってリラの頭を撫でた。

 するとリラが……


「そうだよね。ソラがいるから大丈夫だよね」


 リラはそう言って笑った。

 この街で何が起きているか分からないが、リラには笑顔でいてほしい。

 リラと話している間に、ジーラさんがザルーガさんの所に行ったので、俺たちもザルーガさんの所に向かう事にした。


「ザルーガさん何があったんですか?」

「ソラか、実はな……」


 前に、ツデの森の調査に向かったBランク冒険者たちが、目の前にいる冒険者一人を除いて、ツデの森にいた魔物にやられ全滅したらしい。


「魔物の正体は分かっているんですか?」


 ザルーガさんは首を横に振る。


「そいつから聞いた、魔物の特徴だけじゃわからん」


 ザルーガさんが聞いた特徴は、光っていて、大きな何からしい。


「その魔物がルーブビレに向かってくる可能性がある」


「「えっ!?」」


 俺とリラは驚いた。ツデの森の調査に向かった上級冒険者は、10人以上いたのにも関わらず、ほぼ全滅だ。その全滅させた魔物が、ルーブビレに向かって来るかもしれないのだ。


「おい! ザルーガそいつらは誰だ」


 貴族みたいな人が、俺たちが話している途中に割り込んできた。


「こいつらは、この前冒険者登録をした、ソラとリーラです」


 ザルーガさんが俺たちの事を簡単に説明した。


「なんだ、初級冒険者か。お前らに構っている暇はない。どこかに行け」


 リラが貴族みたいな人を睨んだ。


「なんだ小娘、文句があるのか? わしはこの街の領主様で貴族様だぞ……よく見たら小娘、可愛いではないか、どうだわしの妾にならんか? 」


 貴族みたいな人ではなく、貴族だった人が、リラに詰め寄るが、リラはそっぽを向き、貴族だった人を無視をして俺の後ろに隠れた。


「ソラ……なんか……知らない人に話し掛けれちゃった。しかも……何か変なことを言ってるよ。ソラお腹すいたしご飯食べに行こう」


 ご飯を食べに行こうと、その場を離れようとしたら、ジーラさんが……


「二人とも、ご飯を食べに行くなら、私も行きたいわ。ついて行ってもいいかしら?」

「いいですよ。ザルーガさんも一緒にどうですか?」


 ザルーガさんは少し考えるそぶりをして、


「そうだな。王都に連絡したらご一緒させてもらうよ」


 ジーラさんが。手をポンッと叩いた。


「それなら、酒場で食べましょうよ。ギルドの隣にあるし、兄さんがおごるわよ」


 ザルーガさんは驚いた顔になり、お金が入ってあるであろう、袋の中を確認している。


「よし……二人には俺が奢ってやる」


 ザルーガさんは袋をポケットにしまった。俺たちは、酒場で昼ごはんを食べることにしたので、酒場に向かおうとすると、


「おい! わしを無視するな!! わしは、この街の領主様だぞ」


 後ろから何か聞こえた気がしたが、誰も振り返らずに、酒場に向けて歩き出した。



「リラちゃんごめんなさいね。あの領主が言ったことは忘れて頂戴」


 俺たちは酒場で料理が来るまでの間、先程の話をしている。


「領主?  誰ですかそれ?」


 リラは可愛く首をかしげる。リラは言葉だけではなく、領主その者の存在を記憶から消したようだ。


「そうね……この街に領主なんていなかったわ。ごめんなさいね、昔、住んでいた所とごちゃ混ぜになっていたわ」


 ジーラさんもあの領主の事を記憶から消したようだ。


(あの人一応……貴族だよな……)


 リラとジーラさんは、あの領主については扱いが雑い。


 まぁ、前にジーラさんから聞いた話では、実際にこの街をまとめているのは、ザルーガさんだそうだから、あの領主は威厳がないのだろう。


「遅くなってすまんな」


 ザルーガさんが、酒場に入ってきて空いている椅子に座った。


「リーラにソラ、さっきは「兄さんその話は終わったから」


 ザルーガさんは、領主の事を謝ろうとしたのだろうが、ジーラさんに遮られた。


「ザルーガさん。王都から討伐隊は来るんですか?」


 ザルーガさんは難しい顔をして、


「ダメだった。王都の転移魔法を使える魔法使いは、召喚された勇者と一緒に、いろんな街に行っているそうだ。帰ってきて次第に、ルーブビレに来るそうだが……」


 王都リフホーネからルーブビレまでは、距離が遠く、歩いて来るのはまず無理だ。いつも、こんな事態が起きた時は、転移魔法を使って移動してきているそうだ。でも今回は、召喚された勇者たちを強くする為に、色々なところで経験を積ませているのだろう。


「兄さん。それじゃぁ……」


 ジーラさんが手を額に置き青ざめた顔になった。


「あぁ……もし今日か明日に魔物がこの街に来るなら、今この街にいるメンバーでなんとかするしか無い」


 空気が重くなったその時……


 地面が揺れ


 酒場の中にまで魔物の鳴き声が聞こえた。


俺たちは急いで酒場を出て。辺りを見渡す。そこには、ルーブビレを覆っている壁より、高く飛んでいる魔物がいた。

 その姿は、全体的に黄色く、大きい羽に、長い尻尾を持つ鳥? だったが、普通の鳥と違って、全身に雷を纏っている。さらには、エートスより遙かに大きな魔物だった。


「あれは! まさか……」

「ザルーガさん、あの魔物を知っているんですか?」


 答えが返ってきたのは、ザルーガさんからではなく、ジーラさんからだった。


「あの魔物は、700年前の魔王との戦いで、勇者ツバサが倒したと言われている、伝説の魔物……フーライラよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。