↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第1章 始まり
16/83

第十六話 森の異変

「今日はそろそろ終わろうか」


 俺たちは結局、ヤタの森で合計で40体以上の魔物を倒した。


「私もさすがに疲れたよ」


 そう言って、リラが地面に座り込む。


「お疲れ様」


 リラが疲れたのも当然だろう。

 何故なら、見つけた魔物を片っ端から上級魔法を使い、一人で30体以上倒して行ったのだ。

 体力的にだけではなく、魔力も相当消費したので、精神的にも疲れているのだろう。

 この世界には魔力を回復させる道具などはない。

 自然に回復するのを待つしかないのだ。


「まぁ、クエスト初クリアだな…………」

「どうしたのソラ? 難しい顔をして?」

「魔物を倒していて気になることがあったんだ」

「気になること?」


 リラは魔物と戦っているときのことを思い出しているのか、首を横に傾げている。


「魔物の強さだよ」


 これは俺が戦った感じだと、最初に俺が倒した5体の魔物は確実にFランク以上の魔物だろう。

 Fランクの魔物ならば、初級魔法しか使えない冒険者でも倒せるはずなのだ。

 最初の五体は見た目も強そうだったし、スピードも速やかった。

 初級魔法だけでは絶対に倒せない。

 まぁ、他の魔物は瞬殺だったので、判断材料が他にはないのだが……


「あっ!?」


 俺は魔物の強さを一発で確認することができる方法を思い出した。

 討伐カードだ。討伐カードには倒した魔物の名前と危険ランクが記入される。


 俺は早速、サフィークから討伐カードを取り出した。

 まずは、熊みたいな魔物のランクを確認する為に討伐カードを下にスライドさる。


 討伐カード

ソラ・カナタ 初級冒険者


ーー魔物討伐歴ーー


イノシ 危険ランクE 報酬 未

ベーラー 危険ランクB 報酬 未

ベーラー 危険ランクB 報酬 未

ベーラー 危険ランクB 報酬 未

ベーラー 危険ランクB 報酬 未

ベーラー 危険ランクB 報酬 未

エートス 危険ランクA 報酬 完


 と、書いてあった。


「やっぱり」


 熊みたいな魔物は、ベーラーと言う名前で、危険ランクはBランクだった。


「ソラ! 一人で納得してないで、私にもわかるように説明してよ」


 俺は、討伐カードをリラに見せて、気づいたことを話した。


 フランさんから聞いた話では、初級冒険者にオススメのクエストエリアで、この森にはFランクの魔物しか生息していないと言っていた。

 だけど、最初に倒したベーラーはBランク、もちろん倒した魔物の中にはFランクいたが、殆どの魔物はEランク以上だった。


 まとめると、Eランク以上の魔物がヤタの森に生息している事自体がおかしいのだ。


 俺の話を聞いたリラは、自分の討伐カードをポケットから取り出して見始めた。


「私のはBランクの魔物はいないけどEランクとDランクの魔物ばっかりだよ」


 俺はリラの討伐カードを見せて貰った。


 Fランクの魔物も書いてあったが、リラの言うとうりEランクとDランクの魔物が殆どを占めている。


「俺はこのことをザルーガさんたちに伝えたほうがいいと思う」

「そうだね。これは絶対におかしいよ。何か嫌な予感もするし」


 と、言う事で俺たちはすぐにギルドに向かった。


   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ギルドに着き、中に入ると、ギルド内はがらんとしていた。まだ、殆どの冒険者はクエストに行っているようだ。


「ソラさん、リラさんお疲れ様です。無事で何よりですよ」


 フランさんが笑顔で迎えてくれた。


「クエスト完了の報告ですよね? クエスト完了の作業をするのでギルドカードと討伐カードをお借りしてよろしいですか」


 俺たちは、ギルドカードと討伐カードを取り出して、フランさんに渡した。


「それでは、少しお待ちください」


 そう言ってフランさんは、クエスト完了の作業を始める。


「えっ!?」


 フランさんは俺たちの討伐カードを持ったまま、慌てた様子で何処かに走って行ってしまった。


「ソラ、フランさん何処かに行っちゃたよ?」


 リラがフランさんが走って行った方向を指差す。


「すぐに戻ってくるよ。多分だけどザルーガさんの所に行ったんだよ」


 俺の言うとおりフランさんはすぐに戻ってきた。

 慌てた様子は変わっていない。


「すっすみません!! 急にいなくなったりして」


 フランさんは俺たちに頭を下げて言った。

 俺はフランさんに頭をあげてくださいと声をかける。


「もっ申し訳有りませんが、ギルドマスターがお二人を呼んでいるので、ついて来てくれませんか? その……ヤタの森の事で……」


 フランさんは申し訳なさそうに言った。


「分かりました。俺たちもザルーガさんに、ヤタの森の事で話したいことがあったので」


「それでは、私について来てください」


 俺とリラはフランさんについて行く。

 そして、階段を上がり奥に進むと、ギルドマスターの部屋と大きく書かれたドアの前で止まった。


 フランさんがドアを開けて俺たちを見る。


「ソラさん、リラさんどうぞ、中に入ってください。中にギルドマスターがいるので」


 俺たちはフランさんに言われた通り、部屋の中に入ると、中では、ザルーガさんがソファーに座っていた。


「久しぶりだな二人とも。取り敢えず、そこのソファーに座ってくれ」


 俺たちはザルーガさんが座っているソファーの向かい側に腰こかける。


「早速本題だが、お前たちはツデの森ではなく、ヤタの森で魔物を倒したんだよな?」


 ザルーガさんが俺たちの討伐カードをテーブルの上に置いて言った。


「はい。俺もヤタの森について聞きたいことが有るんですが……」

「あぁ、分かっている。まずはヤタの森で見た事を教えてくれ」

「わかりました」


 俺はザルーガさんにヤタの森での出来事を詳しく話した。


「ソラが倒したベーラーは、ツデの森に生息しているボス的魔物だ」


 ザルーガさんが言うには、本来ならベーラーはツデの森をテリトリーとしている魔物だそうだ。

 ヤタの森で倒したDランクとEランクの魔物もベーラーと同じツデの森に生息している。


「それじゃぁ? ツデの森の魔物がヤタの森に移動してきたの?」

「そうだ。まぁ移動してきたと言うより、何らかの原因でヤタの森に住めなくなり、逃げてきたんだろうが……」


 ザルーガさんは立ち上がり、フランさんの方を向いた。


「フラン! Fランクの冒険者のヤタの森の立ち入りを禁止しろ! それから、Dランク以上の冒険者を対象にヤタの森の魔物の討伐クエストを出せ!」

「わっわかりました」


 翌日ギルドはルーブビレにいる、上級冒険者を集めて、ツデの森の調査に向かわせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。