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ある日突然、無職の俺が、自分より丸々8歳も年下の女の子がVTuberになるのを手伝うことになった。  作者: Sakusaku


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11/23

11: こんばんは……コミケ。

 

 012


 日曜日の朝七時。菅原のアパート前に集合し、荷物を車に積み込んでコミケへ出発の準備を整えた。


「…………」


「…………」


 集まった全員が固まっていた。


「どうしたんだ……早く乗れよ……」


「あの……アキトさん、先に乗ってくださいよ……運転手なんですから……」


「……わかった……」


 みんな俺と同じことを考えていたわけだ……当然か……こんな高級車、普通の人間が気軽に乗れるわけがない。


「あの……この車って、合法的に輸入されたものですよね?」


 まゆりちゃんが青ざめた顔で聞いてきた。


「だから言っただろ……ビジネスをしてる友人のものだって……」


 ヤクザのトップの車だとは流石に言えない……


 まゆりが一番後ろの席に乗り込んだ。


「えっと……じゃあ僕も後ろに行きます……」


 アキラちゃんが二番目に乗り込んだ。


「悠太とハルは後ろに乗れ……」


「「うっ……」」


 この二人も相当なもので……表情を見れば帰りたくて仕方ないのが丸わかりだった。


 菅原は助手席に座った……まるで本物の家族でドライブに行くみたいだ。そうして車を出した。


「静かだな……」


「高級車ってこんなもんですよ……ところで……」


 乗り込んだとき、妙な気がした。


「何ですか?」


「アキラちゃん……さっき自分のことを『僕』って言ってたか?」


「はい……あの……何かおかしいですか?」


 あれ……待ってくれ……女性が「僕」という一人称を使うことは珍しくないが。


「え……アキトさん、知らないんですか?……アキラちゃんって、男の子なんですよ……」


「「「はあ!!!」」」


 まさか……あのアキラちゃんが男の子?……あんなに可愛いのに……しかも女装まで……


「ちょっと待って……二人も知らなかったのか!?」


 悠太とハルの方を振り向いた。


「女の子の格好してるんだから、わかるわけないじゃないですか……」


「俺も同じ気持ちです……」


 本当に……でもこんなに可愛い男の子が甘えてきたりしたら……


 待て!俺には菅原がいるぞ!


「まあ……その通りですけど……僕は男です……」


「「「うっ!!」」」


 彼が……いや、彼は言いながら上目遣いで甘えるような表情をした……ものすごく可愛い!今すぐ抱きしめたいくらいだ!


 悠太とハルも恐らく同じことを考えているだろう。


「あ!この車、映画も観られるモニターがある!シートも柔らかいし、俺みたいに太ってても座り心地いいな!」


 よくやったハル!見事に話を変えた。


「あ!サンルーフもある!でも夏だから開けない方がいいか……」


「アキラちゃん、同人誌を百冊売るんだよね?」


「はい……でも、売り切れるかどうかわからなくて……」


 もう……可愛すぎる……


 アキラちゃんは菅原と同じくらいの背丈で、短い黒髪にメガネをかけていた。黒い半袖タートルネックに長ズボン姿。可愛さはもちろんだが、どこか美しさもあった。


「BL同人誌だろ?……ああいうのは女の子がよく買うんだよ……百冊なんて一時間もかからず売り切れると思うぞ……」


「そうなんですか……」


「かつて自分も売ったことがあるんだから間違いない……同人誌界の先駆者がここにいるぞ!!」


「おい!そこまで大げさなことはないだろ!!」


 車内の全員が笑った……終始そんな感じで、楽しくしゃべりながら会場へ向かった。


 東京ビッグサイトに到着した。


「ほう……十年以上ぶりに来たけど、変わってないな……」


「おじいさんみたいなこと言わないでください……」


 まゆりと菅原と俺は、先にコスプレ着替えスペースへ直行した。


「ブースはここだから……アキラちゃんのも俺のもすぐ近くにある……準備だけしといてくれ……着替えたら追いかけるから……」


「「はい!」」


「はい!」


 それぞれ手分けして動いた。今日の俺の目標は同人誌を四百冊、一冊五百円で売ること。原稿代を引いて妹に分けても、かなりの利益になるはずだ。


 なぜか俺はいつもトラブルに巻き込まれるという呪いでもかかっているんじゃないかと思う。


 コミケの会場の中で……

私に言わせれば、高齢者の8割は、敬意や配慮など微塵も向けるに値しない連中です。彼らはやたらと喋りたがり、四六時中不平不満を口にし、他人の子供は褒めちぎるくせに自分の家族のことはまるで馬鹿扱いしてこき下ろします。そのくせ、自分は他人より優れている、あるいは「イケてる」と本気で思い込んでいるのです。誰も聞きたくもないのに、自分のことばかり延々と語りたがるのも彼らの特徴です。もし魔法が使えるなら、彼ら全員を口がきけないようにしてやりたいものです。

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