0004. 初出会い!運命と奇跡のMariage
ミニゲームと初期幻獣をどちらにするのか決め、ファイ0027に伝えた。これであとには引けない。負けられない闘いがこれから始まる!
「それでは、ミニゲームを3回行ったあとに初期スキルを選択していただきます。スキル選択完了後に初期幻獣のランダム召喚を実施します。まずはミニゲームからですね。パズル系3回、ラン〜〜ダ〜ムッ、オ~~プン!」
私の目の前で急に花吹雪が舞って、中からカードが3枚出現した。カードには、『トランプカードゲーム』、『爆弾ゲーム』、『数字ゲーム』と書いてある。
「さぁ、ゲームが決まりました。早速始めましょう!」
どんなゲームかわからないけど、一つ、二つは勝ちたい。勝たねば。
ーーーー約10分後ーーーー
「結果、2勝1敗でしたので、ベースポイントとあわせて、5ポイントになります。こちらの初期スキルリストから5個のスキルをお選びください」
ミニゲームは、トランプは『ソ〇ティ〇』、爆弾は『マ〇〇ス〇ーパー』、数字は『ナ〇〇レ』だった。爆弾なんて半分以上運ゲーじゃないの。まぁ、2勝出来たからいいけどさぁ~。
さて、5個のスキルかぁ。モフモフを第一に考えると、幻獣とコミュニケーション取れるスキルと、美味しいご飯を作ってあげられるスキル。ブラッシング用のグッズを作れるスキルと、あとは食費を稼げるようなスキルかな。
「初期スキルを確認したいのだけど、幻獣とコミュニケーションが取れて、美味しいご飯を作ってあげられて、グッズが作れるスキル……あとは食費を稼げるスキルってあります?できれば、戦闘などの野蛮なことを避ける感じのスキルで」
「ご希望に近いスキルはありますよ。コミュニケーションでしたら『幻獣理解(冬早)』。ご飯を作りたいなら『幻獣料理(冬早)』。グッズ製作なら『魔導具製作』。戦闘スキルでない稼ぎやすいものは『採集(冬早)』『調合』『鍛冶』『工芸』などですね」
幻獣との触れ合い(モフり)にオススメしてもらったスキルは取得するとして、稼げるスキルはどうしようかな?調合も鍛冶も工芸も原材料が必要だから、採集か採掘は必須。採集したものを調合すれば、最大限に稼げるわね。
「決めました。『幻獣理解(冬早)』『幻獣料理(冬早)』『魔導具製作』『採集(冬早)』『調合』にします」
「はい、承りました。ではスキルの登録と、ステータスボードの初期化を行いますね」
ファイ0027の言葉と共に、目の前に半透明のステータスボードが浮かび上がった。
筋力や素早さといった見慣れた項目の下の方に、一つだけ見慣れない項目がある。
【魔使力:ERR%@!??(※文字化け)】
「あれ?なんかここだけ文字化けして読めないんだけど……」
「えっ?……少々お待ちください」
ファイ0027がボードを覗き込んだ瞬間、彼女の動きがピタッと止まった。
(――AI・ファイ0027の内面ログ:警告。対象プレイヤーの個体情報に異常値。親和性限界突破……いえ、これはシステムの計測上限を超えた『愛着』のオーバーフロー?この【魔使力SSS】、隠しアフィニティが空間の魔素と共鳴しています。演算領域に軽微なエラー発生。修正パッチを要求……否、保留。この規格外の『器』がどのような奇跡を起こすのか、サポートAIとしての私心で見届けましょう)
「ファイさん?どうしたの?」
「あ、いえ!何でもありません。戦闘ステータスには影響のない項目ですので、そのまま進めさせていただきますね!」
「ふーん?まあ戦闘しないし、いっか」
私はあっさりとステータス画面を閉じた。そんなことより大事なのは、次だ。
「それじゃあ、いよいよ初期幻獣のランダム召喚ですね。いざ、召喚!ランダムオ~~プン!」
再び花吹雪が舞って、中から出てきたのは――『ガラガラ抽選器』だった。
カードを引いたり、箱の中のボールを手づかみするのかと思っていたのでちょっと拍子抜けしたが、抽選器が私の前の空中でプカプカと浮いている。
「はい、どうぞ。抽選器はそこまで大きくないですが、ちゃんと10万個のデータボールは入ってますから安心してね。運が良ければ、SSRが出ますよ」
私は両頬をバチン!と両手で叩いて、気合いを入れた。
(ドコドコドコドコ……!)
頭の中で、激しいお祭り太鼓のリズムが鳴り響く。
(BGM:挿入歌『10.10万分の1のDestiny〜焔のモフモフ爆誕〜』開始)
※琴や和太鼓にブラスセクションを加えた「和風オーケストラ」と、キラキラしたシンセが弾ける「電波系ポップス」の融合。ガチャの確定演出のような壮大さと多幸感が溢れ出す。
最初は静かな、キラキラとしたシンセと琴の音色。
絶対に、絶対にモフモフの幻獣が当たりますように!
「えぃっ!」
(ドロロロロロロロ……ッ!)
勢いよく、限界までガラガラを大きく回す。
重たい遠心力が伝わり、ぽろり、と。
抽選器から、一つのデータボールが飛び出してきた。
その瞬間、世界からすべての音が消えた。
ポーン、と宙を舞ったそのボールは――ありえないほどの『虹色』に発光していた。
(カランカランカランカラン!!)
歓喜の当たり鐘の音と同時に、脳内でファンファーレが鳴り響く。
アップテンポでポップな、私だけのテーマソング(『10万分の1のDestiny』)が脳内を駆け巡った。
「あぁ~〜〜!おぉ〜〜、おぉ〜〜!虹色だぁ~〜〜やったぁ〜〜〜ぁ〜〜っ!!ゴッッッホ、ゴッッホ!」
叫びすぎて最後はむせてしまったが、そんなのどうでもいい!
虹色のボールが変型し始め、可愛らしい9本の尻尾がある、モフモフの子狐になったのだから!
「大当たりで〜〜す!SSRの九尾狐、それも焔属です!」
ファイ0027も、サポートAIらしからぬテンションで拍手喝采している。
「いやぁ~〜ぁ〜〜〜!超可愛い、超かわいい、超Kawaiiじゃないですか!やっぱりモフモフは正義ですねぇ!」
本来なら理知的で艶やかな精神構造を持つはずの彼女だが、私の異常なまでの愛(と魔力)を注ぎ込まれた結果、撫でられるだけで子犬のようにデレデレに蕩けてしまった。
「いやぁ、まさか、10万分の1を目の前で見られるとは、私もサポート冥利につきます。これで全ての初期設定は完了です。最後に設定を確認して、サインをお願いします」
まだ興奮で鼻息が荒い私の目の前に、A3サイズのボードが現れる。
【アバター設定書】
所属:冬早国
名前:琴音
種族:人族Lv0
職業:見習い冒険者Lv0
スキル:幻獣理解(冬早)Lv0、幻獣料理(冬早)Lv0、魔導具製作Lv0、採集(冬早)Lv0、調合Lv0
【幻獣】
名前:未定
種族:焔尾狐(焔)
スキル:未定
「あれ、幻獣の名前とスキルがまだ未定だぁ~。名前〜、どうしようかな。焔属ってことで毛色が赤オレンジしているから、うーん、火?いや、狐火?に見えるかも」
『狐火』と言うと、スゴイ勢いで体を擦りつけてきた。
「えっ、えっ、えっ、狐火はあなたの名前じゃないよって……スゴイ気に入ったのね。じゃぁ、しょうがない。あなたは狐火、狐火ちゃんね!!」
「あと、幻獣のスキルは、どうすればいいですか?」
「幻獣のスキルは、向こうでの生活状況で徐々に覚えていきます。初期スキルの数は、琴音さんのスキル数マイナス2になるので、3個のスキルが身に付きます。さあ、現実時間の19時になりますので、左手の扉を抜けて、いってらっしゃいませ。幻獣とのよい冒険を、BonVoyage!」
「いろいろとありがとうございました。さぁ、狐火ちゃん、一緒に行こう!楽しく一緒に生活しよう!」
こうして、私と至高のモフモフ・狐火ちゃんとの、奇跡の出会いとスローライフが幕を開けたのである。
琴音が戦国時代に転生してスローライフを目指して生き抜く話を週3回、月曜、水曜、金曜と投稿しています。こちらの作品も楽しんでもらえればと思います。
戦国幻獣物語 〜目指せ、戦国ひきこもりモフモフ生活! 八百万の幻獣をモフって今日も生き抜くぞ、おぉーーっ!〜




