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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 《Blue_echo》 ―   作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 Blue_echo ―
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2/12

第1章 ようこそ、ぽかぽか邸へ。

火事のあとに訪れた“新しい日常”。

(しゅう)(たまき)、そして(なぎ)の、静かで温かな共同生活が始まる。

朝の光がカーテンのすき間から差し込み、

湯気の立つマグカップを照らしていた。


「……え、これ全部、(なぎ)くんの荷物?」


(たまき)が目を丸くする。


部屋の真ん中には、きれいに積まれたダンボールが十数個。


「最小限にしたつもりなんですけどね!」


「どこがだ。」


(しゅう)がすかさずツッコむ。


(なぎ)は少しだけ頬をかきながら笑った。


「“心の整理”ってやつができなくて……」


「ふふ。(なぎ)くんらしいですね。」


(たまき)は笑って、紅茶を差し出した。



◇◇◇



昼過ぎ。


ようやく片づけがひと段落した。

3人の笑い声が、柔らかな午後の光に溶けていく。


「ねぇ、(しゅう)(なぎ)くんの部屋、どうしますか?」


「空き部屋は書斎だけだな。」


「でも……これじゃ書斎に入らないですよね……」


「すみません……書斎、けっこう狭いんですね。」


(たまき)が少し考えてから、言った。


(しゅう)、わたしたちが一緒の部屋にするのはどうですか?

 一部屋空きますよね。」


(しゅう)の手がピタリと止まる。


「……は?」


「ここでは(なぎ)くんの荷物入り切らないですよ」


「……いや、それは……」


「あれ? ダメですか? いいアイデアだと思ったんですけどね」


「……おまえ、ほんとに天然だな……」


「え!僕、(たまき)さんの部屋使っていいんですか!?」


「……もう好きにしろ。」


(しゅう)はあきらめたように言って、わずかに頬を赤くした。



◇◇◇



夜。


外は静かで、虫の声がかすかに聞こえていた。


「……(たまき)さん、布団の並びどうします?」


「うーん、じゃあ……川の字で!」


「ちょっ……(たまき)。」


(しゅう)が小声で制止する。


「いいじゃないですか! ファミリー感あって!」


(なぎ)は上機嫌だった。


結局、3人並んで寝ることになった。


(たまき)が小さな声で言う。


「ここがいちばん……安心します。」


(しゅう)が微笑み、静かに答える。


「それでいい。」


やがて、(なぎ)の寝息が聞こえはじめた。


(たまき)は目を閉じながら、

「なんだか、ぽかぽかしますね……」とつぶやいた。



◇◇◇



午前3時。


暗いリビングで、ひとり残されたパソコンの画面が光る。

(なぎ)のPCが、自動バックアップを開始していた。


――バックアップ完了。


画面の隅に、小さく点滅する新しいフォルダ名。



 > mirror_01



静まり返った部屋で、

誰も知らない“何か”が、静かに動き出していた。

笑い合える時間の中にも、

まだ誰も知らない“影”がひそんでいた。

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