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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 《Blue_echo》 ―   作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 Blue_echo ―
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1/12

―プロローグ ― 燃えた夜と、動き出す朝、残された光

燃える夜。ひとつのアクセスログ。

それが、すべての始まりだった。


夜の静寂を破るように、モニターが一瞬だけ光った。

黒い画面に、白い文字が浮かぶ。



 > mirror_01 — access granted.



◇◇◇



夜の街に、赤い光が揺れていた。

サイレンの音が遠くから近づき、雨のように降る火の粉が空を照らす。


凪(なぎ)のマンションの前で、

柊(しゅう)と環(たまき)は消防車のライトに照らされながら立ち尽くしていた。


「凪(なぎ)!」

「凪(なぎ)くん!」


ふたりの声が同時に響く。


焦げた空気の中から現れたのは、

顔をすすで黒くしながらも、しっかりと歩く凪(なぎ)の姿だった。


「……あ、柊(しゅう)先輩……環さん……」


その声を聞いた瞬間、

環(たまき)の目に涙があふれ、柊(しゅう)は思わず凪(なぎ)を強く抱きしめた。


「無事でよかった。」


「僕の部屋、燃えちゃいましたけど……生きてます。」


小さく笑う凪(なぎ)。

だけど、その目の奥に一瞬だけ光った“影”を、柊(しゅう)は見逃さなかった。


――これは、ただの火事じゃない。


柊(しゅう)の心に、静かな予感が灯る。



◇◇◇



そして夜が明ける。


灰色の空の下、焦げた匂いがまだ残る凪(なぎ)のマンションに、

消防隊の許可を得て、3人は足を踏み入れた。


壁は黒くすすけていたが、

奇跡的に机の一角だけが燃えずに残っていた。

そこに、凪(なぎ)の愛用していたパソコンが置かれている。


「……これ、無事だ。」


凪(なぎ)が小さく息を吐いた。


「すごいな、熱で筐体(きょうたい)が変形してるのに……データ、生きてるかも。」


環(たまき)はその画面を見つめ、そっと言った。


「……まるで守られてるみたい。」


柊(しゅう)はその言葉に小さく頷く。


「バックアップを取って、念のため別の場所に移そう。

 それが終わったら、うちに来い。部屋を空けておく。」


凪(なぎ)が驚いたように顔を上げる。


「……え? いいんですか?」


「今さら何を言ってる。」


環(たまき)も笑って言う。


「ね。もう家族でしょ?」


凪(なぎ)は涙をこらえるように笑いながらうなずいた。


「……はい。」



◇◇◇



そして数日後。


アークシステムズの新プロジェクトで、

奇妙な不具合が連続して発生し始めた。


「……またログが消えた?」


凪(なぎ)の声がわずかに震える。


「消えたんじゃない……“隠されてる”……?」


モニターの光が3人の顔を照らす。

その瞳の奥には、それぞれの決意があった。


「止まってもいい。

 でも、また動き出す。

 それが、俺たちの“進化《EVOLVE(エヴォルヴ)》”だ。」


柊(しゅう)の言葉に、

環(たまき)と凪(なぎ)がゆっくりと頷いた。


朝の光が3人を照らしていた。

それが、新しい“進化”の始まりだった。

《mirror_01》――この小さなファイルが、

彼らの未来を大きく変えることになる。


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