まずは城の修繕から
どうぞ
翌朝、城内部は大騒がしだった。
「 おい! スケルトンナイトの装備の在庫が足りないぞ! 」
「 はやく壊された施設の修復!はやくしろ! 」
「 あ、あの、魔獣達の餌が足りません…… 」
前の世界では勇者に城をボロボロにされたためまずは城の修復と資材の調達が急務だった。
アダムも城の主として大忙しだ。
「 あ、もしもし!発注をお願いします!はい、はい、スケルトンナイトの装備一式と魔獣食、あと建物用の補強岩石を至急お願いします!とりあえずはそれだけで……はい、失礼します! 」
いくら城を地下に隠しているとはいえ城の防備は万全にしておかなければならない。
「 アダムさん!先ほど発注された大砲と火薬が届きました! 」
「 アダム〜設備の補強と警備のための人数が足りないわ〜 」
くっ、前の世界での損害がここまで大きいとは。
「 わかった!ジュークと孤月!今からスケルトンを召喚する!そいつらを連れて行くんだ 」
俺は意識を集中し、足元に魔法陣を展開させる。
「【 魔物召喚 】スケルトン!」
広場に約100体ほどのスケルトンを召喚する。曲がりなりにも魔王だこれぐらいのことはできる。しかし、スケルトン種最低ランクのスケルトンのため考えるという行為は行わない。与えられた指示だけを実行する。融通が利かないところと耐久力がないのを除けばいい働き手だ。
______10時間後
「 とりあえずは……ひと段落……か 」
俺は体力と魔力を使い果たし自分のオフィスのソファに突っ伏していた。
「 アダム〜、蘇生装置の点検員と修理員の人が本社から来てるよぉ〜 」
「 あぁそうか。通してくれ 」
蘇生装置とはこの城の人員が敵に倒され死亡した時に起動する機関であり。再出現の役割を担っている。これは俺自身には適用されず俺が倒された場合本社に設置されている蘇生装置の大元で復活しその世界には再出現しない。その間城は次元の裂け目に転送される。
蘇生装置は魔王にとって命よりも大切な機関であり死守しなければならないものだ。
そのため魔王協会は蘇生装置の点検、修理を無償で行ってくれるのだ。
コンコンッ
「 はい。どうぞ 」
「 お邪魔します。アダム君 」
「 サ、サミラさん! 今回の点検と修理はサミラさんが? 」
「 うん! この間、資格を取得したからね 」
「 そんなんだ! じゃ、じゃあ案内しますね! 」
俺は転移魔法を発動する。蘇生装置のある場所は極秘事項であるため俺は極力蘇生装置に関する移動は転移魔法で行っている。
周りを鋼鉄で囲まれているその部屋からはあらゆる情報が遮断されており中からでは場所を特定することは難しい。
その中央に鎮座する紫電に染まった結晶が蘇生装置の……偽物だ。
実際の蘇生装置は結晶を支える台座の下、部屋の周りの鋼鉄と同化したキューブが本物の蘇生装置だ。
この偽物を使うのは魔王業界では常識だ。稀に勇者が魔王城の蘇生装置を狙ってくるという事案があるらしく……
俺は蘇生装置を取り出しサミラに渡し、サミラは魔法を込めそのキューブをチェックする。
「 うん! 問題ないね! 」
「ありがとうございます。サミラさん 」
「 どう?アダム君、上手くやっていけそう? 」
「 えぇ、本当に優秀な側近たちのおかげでなんとか……」
「 確かに側近だけはすごく優秀だもんね 」
側近……だけ……は
「 あぁ!ご、ごめんね 」
「 い、いえ。事実ですしね…… 」
「 チェックと終わったし、オ、オフィスに戻ろっか! 」
「 は、はい 」
オフィスに戻るとジュークと孤月が書類の整理をしている真っ最中だった。それもとんでもない量だ。
「 わ! ごめん俺の仕事なのに!いいよ俺がやるから! 」
ただでさえダメな主人なのにこんなことまで優秀側近にやらせるなんて……
「 アダムさん、気になさらず。やりたくてやっているだけですので 」
「 そうだよ〜アダム〜、でもどうせなら手伝ってくれると助かるなぁ〜 」
「 わ、わかった! 」
3人の会話を聞きながらサミラは微笑む。
( ふふ、優秀だとかそんなこと関係ないよね)
慌ただしく書類の整理をするアダムの姿を跡目にサミラは本社に帰社したのだった。
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