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魔王業務も楽ではありません  作者: 魔王業務も楽ではありません。
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プロローグ

拙い文章ですが、色々指摘していただければと思います。

 俺は目の前に立つ邪悪な笑みを浮かべたその男……勇者との戦いに敗れ消滅寸前だった。


「 ひゃははははははっ魔王よ!滅びよぉ!ぎゃはははははぁっ! 」


( こいつほんとに勇者か? 魔王の俺よりよっぽど魔王らしいじゃないか )

 どこの勇者もなかなか癖のある輩が多い。全国民の期待と希望を一身に背負い魔王との戦いに挑むという宿命を子供の頃から背負わされるのだ。性格が歪んでしまうのも無理はない。


「 くらえええぃ!そして死ねコラァァァア!【神聖なる(セイクリッド)(サンダー)】」


 神々しき光とともに勇者の持つ【聖剣エクスカリバー】に落雷。なんとも勇者らしい技だ。

( もうちょっと勇者らしいセリフと一緒に使えたら完璧な勇者だったのにな )

 勇者の歪んだ性格に少しばかりの落胆を感じつつ俺は勇者の一撃によって消滅した。


 ◇◇◇


 場所は次元の裂け目に建設された1つのビル。【 (株)魔園 】

 その会議室の1つのに俺はいた。


「 まーーた殺られたのか。いい加減1つくらい世界を支配してみんかい! 」

 会議室に響く叱責。その対象は勿論俺だ。


「 し、仕方ないだろ……あの勇者。適正レベル78の俺の城にカンストのレベル200で来やがったんだぞ!」


「 んなもん知るかいゴラァ!そこをなんとかするのが1つの城を所有する魔王の仕事じゃろうがい!! 」


 流石にベテランの魔王は迫力がある。体全体から迸る負のオーラは会議室を暗く染め上げていく。

 その如何にもエリートといった佇まいの彼は俺の先輩だ。名前はゴウラン。魔王業界において彼の名前を知らない者はいない程の強さとカリスマを備えた男だ。


「 せ、せめて次の世界はレベルの概念のない世界にしてくれよ……。はっきりとレベル差がわかっちゃうとさ俺の城の社員達のモチベーションに関わっちゃうからさ……。 」


 実際レベル200の勇者が単身俺の城に攻め込んで来た時には俺自身も絶望と諦めの感情が湧き出て来たのを感じた。


「 んなもんてめぇの城のレベルを200にすりゃええだけの話じゃないゆかい? あぁ? 」

 先輩はサングラスをずらしながら言った。


 めちゃくちゃだ……。経営はヒト、モノ、カネ、情報をうまく活用することで成立するもの。しかし、どれも未熟な俺にとっては城を維持するだけで手一杯なのだ。


「 まぁええわ。さっさと事務局で次の世界への転送手続きしてこいや 」

「 ……はい 」

 俺は力なく返事をした。



 ◇◇◇


「 あら、こんばんはアダム君 」


 まだ自己紹介してなかったが俺の名前はアダム。


「 こんばんは、サミラさん 」


 受付窓口に座る黒髪ロングをポニーテールでまとめた美女……サキュバスのサミラさんは【(株)魔園 】のアイドル的存在。我が社の男どもが一度は憧れるであろうその美貌。前の会社ではサキュバス業務で何年も連続で業績トップを叩き出し続けたスーパーエリートだ。いったい何人もの男が彼女に精気を搾り取られたのであろうか。


「 えっと、新しい世界への転送手続きをしたいんですけど 」

「 あ、そっか……。次の世界はきっとうまくいくよ! 」


 優しい人だ。しかし、彼女に気を使わせてしまうのは男として魔王の1人として情けない限りだ。


「 じゃ、じゃあこの紙に名前と希望転送日時、城の規模、社員の人数とハンコをお願いしますね 」


 この紙を書くのは何回目だろうか。そろそろ定住し安定した収入を……そしていつかは魔王の最高峰【 殿堂魔王 】の1人になる、というのが俺の夢だ。

 因みに先輩のゴウランは【 殿堂魔王 】の1人だ。


「 それにしてもアダム君。君もすこしは魔王らしくなって来たんじゃない? 入社当初は3日で勇者に負けて泣いて帰って来たのに 」

 サミラはクスクス笑っている。懐かしい思い出だ。我が社の伝統として新人にはかなり難易度の高い世界に送り込まれこの業界の厳しさを教え込まれるのだそうだ。


「 そうですか?僕自身はまだまだだと思うんですけどね。僕の城の社員への給料は業界最低賃金ランキングの上位候補ですよ? 」


「 うん、そうだね。でもね、君はすごく仲間思いでいい子よ?その気持ちはきっと君の社員達に伝わってる。いつかきっと成功できるわ 」


「 そう信じたいです 」

 俺は書き終わった紙をサミラに渡しその場を後にした。

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