24話:GW明け
とうとう短いGWが終わった。初日の温水プールと二日目の匡子さんからの贈り物以外は特に何もなく、整備やら筋トレやらで終えた。いよいよ、今日から学校だ、と言うのだが。
「学校行きたくないぃ~」
そんな風に、俺の部屋まで咲耶が乗り込んできた。
「そんな事言ったって、俺らの任務は学校の警備だぞ」
「そりゃ、アンタの任務でしょうが。私は完全に無理やり連れてこられたんだし」
それはそうだが。仕方ないので引っ張ってでも連れて行くことにした。
すると、寮を出て少しのところで、咲耶は諦めたのか普通に歩き出した。
「なあ、咲耶」
「何よ」
俺は、咲耶に前々から聞きたかったことを聞いた。
「お前の髪さ、地毛って言うには黒過ぎるよな。染めてる?」
俺の質問に、咲耶は少々戸惑いを見せたが、俺にまっすぐ向き合って、真剣な瞳を向けてきた。
「わたしの髪ね。どういう原理なのかは分からないけど遺伝子がどうたらで、髪と瞳が桜色だったの。でも、桜色は目立ってね。染めたのよ」
何故か、これ以上は、聞いてはいけない気がした。なので、俺は、話を逸らすことにした。
「そういえばさ。俺の部下に丙っていたじゃん」
「ん?急に何よ。いたけど。あの無愛想な娘よね。あたし等と同い年なのに一個下で入ってきたし、よく分かんないわね」
小路丙は、俺の直属の部下で、小柄で子供のように見えるが、れっきとした同い年だ。俺の命令に忠実で、射撃のランクも常にベストスリー入りする実力者。しかも、拳銃だけでなく、狙撃銃でも二位という好成績。狙撃銃のほうは、俺が五位で、咲耶は非参加だった。
「それで、何であいつの話なの?」
「いや、特に理由はないんだが、あいつも、お前に似ているところがあってな」
そう、それが、この話を始めた理由。
「あいつも、見た目が人と違い、いろいろと言われたらしいから」
「え?あいつって、なんかあったの」
「目だよ、目。そっか、あいつは普段、カラーコンタクトしているから知らないのか。あいつは、左右で目の色が違うんだよ」
左目が緋と右目が藍と日本人離れした目の色。彼女は、それをコンプレックスにしていた。
「そ、そうだったんだ。初耳だわ」
そんな話をしながら、教室に向かったのだった。




