4、用途
「この鍵、なんのやつなんだろ…」
クニマ青年は困っていた。
当たり前だ。ユホルから貰った(正しくは神様からだが)鍵にはオマヌケなことに「なんの鍵か」が書いてなかった。賢いユホルならともかく、パンピーのクニマ青年がわかるはずなんてない。それでもまだ「神」とか書いてあったら謎のオブジェクトと化したトラックに思い当たることもあるだろうに、誰からの手紙かも書いてない。
おっとキミタチ「これはもう詰みやろ」って思ったでしょ?ところがどっこいぎっちょんちょん、実際のところトラックの鍵はこの世界の一般的な鍵と形状がだいぶ違う。この世界で一般的に使われている鍵なんてそれこそ現代日本ならばアンティーク家具についてる鍵みたいなもんだ。いわゆるウォード鍵。だからなにかしら特殊なものの鍵だってことはわかるワケワケ。
「特殊なものだったらすぐトラックに行き着くんじゃない?」と思った人はいるかもしれない。ところがどっこいぎっちょんちょん、残念ながら見つかりにくくなる方のハードルもある。
この世界、剣と魔法とそれから科学、この三つの要素がほどよいバランスで存在している。わかりやすく言うと中世っぽいけど特に時代考証が必要ないオリジナルファンタジー世界なのだ。魔法道具っぽいやつなんて割とある。「特殊なもの」からトラックに行き着くのはまあまあ大変なのだ。どうするクニマ青年。
「明日爺さんに聞きに行くか」
もう解決した。だってユホルは気付いてるし。ていうかよく考えたら手に入れたのはユホルのとこだしユホルに聞くのは至極真っ当なんだよな。変に煽ったの恥ずかしくなっちゃった。まあいいか、切り替えが大事。
はい次の日。クニマ青年はまたユホルのところに行きました。
「爺さん、昨日聞くの忘れてたんだけどこれってなんの鍵なんだ?」
「ああ、それは多分な、丘の上の鉄箱の鍵だよ」
諸君、気づいたかね。気づいたかね諸君。今の聞いたか?ユホルはトラックのことを「大鉄」と呼ばない。
実はこの呼び方、呼ぶ派と呼ばない派が存在する。呼ぶ派の主張は「通ってる呼び名があると便利」というもの。呼ばない派の主張は「ダサい」というもの。お互いにわかりやすい主張だな。ちなみにこれはマジの余談。
兎にも角にもクニマ青年は無事に鍵の用途を知れたワケワケ。
この物語、四話たってもまだトラックに乗り込まないのでだんだん読むのがめんどくさくなってくるぞ。そろそろクニマ青年にトラックに乗ってもらわないとな。




