↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/47

第2話:やるべきことをやります

 急いで馬車に乗り込み、公爵家を目指す。私の母は私が幼い頃に亡くなった。私の父親は、私の事を政治の道具としてしか見ていないし、新しく来た継母は私の事を嫌っている。


 今回王太子殿下との婚約を破棄された私を、きっと父は許さないだろう。殿下に泣いて謝罪し、何とか婚約を継続してもらえる様に頼めと、怒り狂う事は目に見えている。


 でも私は…


 もうあの男の為に、人生を捧げるだなんて嫌だ。そうなると、きっと勘当され家から追い出されるわ。まずやらなければいけない事は…


 家に帰ると、すぐに自室へと向かう。


 急いでカバンを出し、ありったけの宝石をカバンに入れた。それから、私の隠し財産が入っている口座の預金通帳も、すぐにカバンに入れる。他にも必要な物やお母様の形見の品も、次々とカバンに詰め、急いで部屋から出ると馬車に乗り込んだ。


 よかった、お父様が帰って来るまでに持ち出せたわ。すぐに銀行に行き、ありったけの財産を下ろす。そして、屋敷近くの茂みに、カバンを隠した。よし、準備は万端だわ。これで家を追い出されても、野垂れ死ぬことはない。


 自慢ではないが、私はありとあらゆる知識をこの8年で叩き込まれた。私は王妃様にも可愛げがないと言われていた為、ありとあらゆる嫌がらせを受けたのだ。紅茶を何度も掛けられるなんて朝飯前。


 森にピクニックに出掛けた時、わざと置いて行かれた事もあった。時には平民の生活を学べと言われ、3ヶ月間、平民として生活させられた事もあった。その為、この世界で生きていくためには、いかにお金が大切かも理解している。


 そして私がどんなに王妃様から虐められても、もちろん殿下が助けてくれることは一度もなかった。殿下もきっと、私の事を愛していなかったのだろう。それなのに私は、王妃様からの嫌がらせにも必死に耐え、寝る間も惜しんで殿下の仕事をこなしていたのだ。


 私は本当にバカだった。でももう、あの人たちの言いなりに何てならない!もちろん、お父様の言いなりにもだ。


 お母様が亡くなってから、私はずっと1人ボッチだった。だから、この王都の街にも未練はないわ。そんな思いから、街の図書館へと向かった。


 持ち前の行動力と学ぶ力で、公爵家から追い出された後、どの街に住めばいいのかを調べるためだ。


 私はあの人たちの性格を嫌というほど理解している。きっと父親は私を反省させるため、一旦は家から出すだろうが、私が謝罪し泣いて謝ってくると踏んでいる。今までも自分の思い通りにならないと、何度も家から出された。


 そして翌日、泣いて謝罪し、なんとか許してもらうという日々を送って来た。今回も同じだと踏んでいるはずだ。それに、ルイード殿下も王妃様も、そのうち私がいない事で、仕事がたまりにたまり、私に仕事だけでもさせようと考えるはずだ。


 そうなった時、お父様に泣きついてくるだろう。もし王都の街にいたら、最悪の場合見つかり連れ戻されるかもしれない。


 とにかく、一刻も早く王都の街から出る必要があるのだ。その為にも、私は自分がどの街に移り住むのがより安全かを調べ、理解する必要がある。


 図書館では、この国のありとあらゆる街を調べた。この街は大きくて紛れ込みやすい、でも、治安が良くないわ。この街は王都の近くで、すぐにばれるかもしれない。この街は…


 そんな風にしらみつぶしに調べていった。


 すると…


「この街、素敵ね」


 この国の一番西にある、小さな港町に目が留まった。馬車で約1週間かかる場所にあるレックスィンという街だ。もちろん、公爵家の馬車ではいけないので、汽車や乗り合わせの馬車に乗って行く必要がある。


 自然豊かな場所の様で、人々は穏やかな性格で、治安もかなりいいらしい。ここなら私も、安心して暮らせそうね。


 よし、行く場所も決まったわ。さあ、まずは公爵家に帰って、追い出されないと!


 本当はこのまま街を出たいのだが、もし黙って出て行ったりしたら、公爵令嬢が行方不明という事で、騎士団が動くかもしれない。だからこそ、父と直接話をして、勘当してもらう必要があるのだ。


 正式に勘当の書類を出してもらえれば、私はもう公爵令嬢ではなく、ただの平民になる。平民をわざわざ騎士団を使って大々的に探し出すことは不可能だ。


 我ながら、この窮地の状況の中で、次から次へと何をしなければいけないかが頭の中で浮かぶだなんて…


 今まで散々酷い目に合って来たせいか、いざという時どう動けばいいのかを、頭で考える力が身に付いていた様だ。


 思い返してみればお母様が亡くなってからの9年、私にとっては地獄以外何物でもなかったわ…でも、やっとその生活も終わる。そう思ったら、これから対決する父親なんて怖くない。


 私はもう、あの男の言いなりにもならないし、殿下や王妃様の為に、自分を犠牲にしない。これからは、私の為に生きて行こう。


 そう決意し、馬車に乗り込んだのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。