第73話
第73話です。
魔物の情報収集に
翻弄しています。
凶暴化した魔物に遭遇しているモノが
どれだけいるかそれを探るのも
大切ですよね。
では、楽しんでください。
慶次は辺りを見渡す。
草原が広がり奥には川が流れている。
穏やかな川の流れに太陽の光が
キラキラと光っている。
その奥には山が連なる。
動物達がのんびりと寛いでいる様に見える。
この風景を見ていると
魔物がいる世界という事を忘れるぐらい
穏やかだった。
寝転がり、このままのんびりと
この景色を見ながら過ごしたいと
慶次が思っていた時
『慶次。カラスが飛んでるよ。捕まえる?』
《空蝉》の言葉に我に返り、起き上がる。
『そうだな。
怪我はさせたく無いが良い方法はあるか?』
『殿。私が話しかけてみましょうか?』
『出来そうか?』
『やってみます。』
《松風》はカラスへ意識を集中させる。
一羽のカラスが《松風》の頭に
チョコンと飛び降りた。
それをみた慶次は笑って
『人を怖がらんカラスよな。
《松風》話せるか?』
《松風》は困った顔をして
カラスに話しかける。
カラスはカァカァと飛び上がり
《松風》の周りを飛んでいる。
『殿。話せますが、五月蝿いです。
メスよりもオスの方が大人しくて良いのでは?』
それを聞いたカラスは
《松風》の頭をくちばしで突く。
『痛ッ。痛たたた。ごめん。』
カラスは勝ち誇った顔で《松風》の頭に乗った。
慶次は大笑いして
『で、カラスは何と言うておる?』
『はい。
空から見ても何も変わった所は無いそうです。
魔物や動物の話を聞くのは簡単だと。
しかし、今の状態では、
何を話しているかまでは分からないらしいです。
言葉が分からないと。』
『なるほど。こういう時はどうするのが良い?』
『そうだね。契約するのが一番良いけど。
魔物じゃ無かったら…。あ、魔物なのね。』
《空蝉》が驚いた。
『魔物って言うか。《松風》みたいな感じか。
慶次の国にワタリガラスっているじゃない?』
『ワタリガラス?知らんな。』
『あ、そうか。
慶次の国のカラスじゃ無かった。
慶次の国では八咫烏っているでしょ。
あれに近い。』
『ほぅ。八咫烏か。神獣よの。』
『そうそう。
《松風》は魔物なんだけど、神獣近いんだよね。
でも、このカラスは動物なんだけど、
神獣に近いって感じね。』
『では、名前を付けてやれば契約出来ると。』
『そうだね。その子も出来るよ。
2匹とも契約しておく?
入る時にその方が良いかも。』
『確かにな。しておくか。』
慶次はしばらく考え
『カラスは《風月》
フェンリルは《風魔》』
慶次がそう告げると《風月》が
『あぁ、話せるわ。これは嬉しいわ。
私、貴方様の為に働きます。
なんてお呼びすればよろしいかしら?
お名前で?
《松風》みたいに殿でも良いわねぇ。
そうねぇ。
やっぱり慶次様かしら?
どうしましょう。
悩むわね。』
と機関銃の様に話す。慶次は苦笑いした。
『《松風》が五月蝿いと言うのも分かるな。』
『えぇ?そうですか?
そんなつもりはないのですよ?
まぁ、でも。仲間にもそう言われておりましたわ。
でも、それが私達カラスの役目ですもの。
遠くの敵をも見つけ仲間に知らせる。
安心に生きていく上で
危険回避は大切ですもの。
あぁ、本当になんてお呼びしましょう。
お名前は大切ですものね。』
《風魔》が嬉しそうに
『ご主人様って呼んだ方がいい?』
と《風月》の話を遮断した。
慶次は頭を撫でながら
『好きに呼ぶと良い。
《松風》は俺を殿と呼ぶし、
《空蝉》は俺を慶次と呼ぶ。』
《風魔》は少し考えて
『じゃ、僕も殿って呼ぼう。何だか、格好良い。』
『そうか。』
《松風》が口を挟む。
『では、お前もきちんと敬語を話さないとな。
お仕えする人に対しての礼儀だぞ。』
と話す。《風魔》は
『うん、分かった。』
と答えて《松風》に
『言葉遣いが違う。
その場合、はい分かりました、だ。』
『何だか、難しいね。でも、僕、頑張るよ。』
と答える。
それを見ていた《風月》は首を傾げ
『そうなのね。
では、私はご主人様にしようかしら。』
《風月》は呟く。
慶次は《風月》に
『とりあえず、
落ち着いたところで周辺を調べてくれ。
凶暴化した魔物の話を知っておるモノがおるか。
それを調べてくれ。どうして凶暴化したのか。
凶暴化したモノがどういった行動に出るのか。
その情報が出来るだけ詳しく大量に欲しいのだ。
出来るか?』
『ご主人様、分かりまたしわ。
話せるモノに話を聞いて参りますわ。
では、行ってまいりますね。』
《風月》は空高く飛び立ち
慶次達の上を一周回り、
山の方へ飛んで行った。
それを見送った慶次は
『では、こちらも移動しよう。
薬草探しに重点をおくか。』
と歩き出した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は契約獣が一気に2匹
増えました。
仲間が続々と増えています。
楽しく冒険ができそうです。
次回は、山の入り口で
薬草などの採取をします。
では、次回をお楽しみにしてください。




