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聖夜は皆で一緒に 前編

メリークリスマス

クリスマス特別編

聖夜は皆で一緒に 前編

1

ルシアとローナが俺達の元に帰ってきてから初めてのクリスマスがやって来た。


「え? 明日のクリスマスパーティに友達を一人呼びたい?」


「うん。私の親友だけど今日こっちに来てるから私に会いたいんだって。ついでにこの子も見たいんじゃないのかな?」


千代が腕に抱えている今年八月に生まれた小さな命を見つめながらいう。まあ、確かに友達が子供を産んだって聞いたら、一度でも見たくなるよな。


「俺は別に構わないんだけど、ルシアたちは大丈夫か? 特にローナとか」


「な、何で私限定?」


「だってお前人見知り激しいじゃん」


「な、直ったもん。もう人見知りなんかしないと思う。多分」


「そこまで言うなら心配しないけど。ルシアは大丈夫だよな?」


「勿論大丈夫です」


「よし、早速準備に取り掛かるぞ」


『おー』


明日は初めてのクリスマスという事でいつに張り切る二人。そんなに楽しいイベントなのかというと、何とも言えないが多分楽しいイベントになってくれることを願うとしよう。


「ところでパパ」


「なんだ?」


「クリスマスってなんですか?」

2

翌日の夕方頃、千代が友達であるあやめさんが我が家に到着。一緒にパーティの準備の手伝いをしてくれることになった。


「へえ、あやめさんって小説家なんだ」


「はい。一冊だけ本も出したことがあります」


「すげえな。今度その本のタイトル教えてくれよ」


「いいですよ。よかったら今教えてあげましょうか?」


「いや今は千代の手伝いをしてくれ。本のタイトルくらい後でいつでも聞けるからさ」


「分かりました」


千代は何だかんだでまだ出産したばかりの体だ。あまり無理をさせるわけにもいかない。それにこっちはこっちで大変だし。


「パパ、この飾りはこっちでいいですか?」


「ああ。その辺りが丁度いいと思う」


「パパ、ミルクってどうやって作るの?」


「えっと、それは千代に聞いてくれ。俺も分からんから」


「おぎゃー」


「よしよし、パパがいるから何も怖くないからな。べろべろばー」


「パパ、何かそれ気持ち悪いです」


「うぇぇぇええん」


「ほら余計泣かした」


「だったらお前ら一度でもいいから笑わしてみろよな」


俺は今、同時に三つのことをやっている。子供の育児、ルシアたちへの指示、そして飾りの作成。こんなの三つ同時にやっていたら、体がもたない気がする。


「雄一君、ちょっと買い出しに行ってきてほしいんだけど」


「お前もこの状況を見て、よくそんな事言えるよな」


これは聖夜が来る前に俺の体が朽ち果てそうだ。

後編へ続く


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