表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/59

第20話 嵐の後の

第20話 嵐の後の

1

翌日、ルシアのおかげで大惨事は回避できたものの、被害は受けたので文化祭は一週間延期することになった。もしあそこでルシアが何かをやらなかったら文化祭自体なくなっていたのかもしれないが、今は文化祭どころの話ではない。あの日の夜以降、ルシアの体調がよろしくないのだ。おまけに俺も熱を出してしまい、今は寝たきり状態。まさか本当に風邪を引くとは思っていなかった。

「何が馬鹿は風を引かないよ。結局引いたら何の意味もないじゃない」

「それを病人に向けて言う言葉か?」

「心配して言ってあげてるのに失礼ね」

「あ、ありがとう」

「お礼をいうなら、必死に看病してくれたローナちゃんにも言ってね」

「お、おう」

(そっかローナも看病してくれたのか)

少しずつ変化している彼女を考えると嬉しくなる。出会った頃はあんなにツンツンしていたのに、最近は少しずつではあるがデレが見え始めている。その変化はとても喜ばしいことである。

(まあ、あんな事があったら、人と関わるのも嫌になるよな…)

ルシアが話してくれた一部を思い出す。あれだけ過酷な人生を味わったら、俺だって人間不信になる。だからこそ、彼女には変わってもらいたいと願っている。人を信じられるようにと。

そんな事を考えていると、噂をすれば影。ローナが俺の部屋に入ってきた。

「体…大丈夫?」

「ああ。だいぶ良くなったよ。看病してくれてありがとうな」

「わ、私は看病してない…。お、お姉ちゃんが心配だっただけで…」

「ありがとう」

「っ…う、うん…」

か、可愛くなっている。変化するとともにどんどんルシアの可愛さが増している。

「にやにやして…気持ち悪い…」

「にやにやしてねえよ」

実際していたのかもしれないが、それはそれで別にいいか。

2

あの嵐の日から三日後、ようやく熱が引いたので準備再開といきたいところだが、まだルシアの体調がめまぐるしくないので、準備は他に任せて彼女の看病をすることにした。

「大丈夫なんですか? 準備しなくて…」

「文化祭の準備よりお前の体調も心配なんだよ。あの後ずっと寝たきりだっただろ?」

「はい…、昨日の夜中に目覚めました…」

つまり嵐の日から三日ほど寝ていたことになる。そんな彼女を放置なんかできるわけない。

「なあルシア、一つきい…」

「私覚えてないんです。あの夜のこと」

「え?」

あまりに突然の言葉に俺は驚く。

「覚えてないってお前、じゃああの力はなんなんだ」

「力? 私何かしましたか?」

「嘘だろおい…」

勿論俺は覚えている。いや忘れやしない。彼女が自分の力で嵐を止めたのを。

なのに何故彼女は何も覚えていないんだ?

続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ