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第18話 クレープ完成

第18話 クレープ完成

1

「やっぱりそうだったんですか…」

全てを聞いたルシアはため息をつきながらそう言った。

「何で黙ってたんですか?」

「いや、これを聞いたらお前達はショックを受けるんじゃないかと思って」

「分かっていた事なんで、ショックなんて受けませんよ。パパと接触したのはビックリしましたけど」

「分かっていたのか? お前達の母親がお前達を連れ戻しに来るって」

「はい。あの人ならそういう事すると分かっていたんで」

「そうか」

安心すべきなのかしないべきなのか判断しかねるが、一応変な心配はしなくて済んだ。

だからこそ聞きたくなったのかもしれない。ローナの事を。

「あのさルシア、一つ聞いていいか?」

「何でしょうか?」

「ここだけの話、ローナがあんな風になったのって、もしかして母親にも原因があったりする?」

「えっと…それは…」

「話しづらいなら構わないけど、

俺はやっぱりお前たちの事が心配なんだよ」

これは俺の本心だった。もう彼女達はただの同居人ではなくなっている。仮とはいえ大切な家族だ。だから心配するのは当然だし、一人で抱え込まれるのもこっちとしてはいい気分ではない。だから少しでも話して欲しいと俺は願った。

それが通じたのか、ルシアはゆっくりと口を開いた。

「……分かりました。全部とまでは言えませんが話します。私達姉妹が何故この世界にわざわざ家出してきたのかを」

その後ルシアから俺の想像を超える話が語られた。それを知った俺は、この姉妹を絶対に守ってやりたいという決意を胸に秘める事になった。

2

それから文化祭まで俺たちは毎日準備をし続け、数えきれないほどのクレープを試食した。そして何百通りものクレープを食べ続け、ようやく美味しいと思える新しいクレープができあがった。

「でもこれって、余計に甘ったるくなりませんか?」

「いいんだよ。これならきっと売れるはずだ」

生クリームの代わりに練乳を投入し、そこにイチゴやメロンといったありとあらゆるフルーツを乗っけた特製クレープ、

『練乳入りロイヤルフルーツクレープ』

がここに誕生した。練乳の甘さをフルーツで抑える事によって、甘すぎないクレープとなった。

「これであとは屋台の完成と衣装だけですね」

「ああ」

クレープは完成した。あとはそれを売る為の屋台、そして自分達が着る服を用意するだけ。いよいよ文化祭の準備も大詰めだと意気込んだ。

3

だが何もかもが順調に思えた俺達に、文化祭数日前悪い知らせが入る。

「え? 前日が夕方から嵐だって?」

「はい。屋台が危ないですよ」

「それはちょっとやばいかもな」

何と前日の夜から朝にかけて嵐になるらしい。ようやく完成しかけているのに、こんな所で無駄にするわけにはいかない。

「よしルシア、ちょっと前日は俺の手伝いをしてくれ」

「何をするつもりですか?」

「意地でも屋台を守るんだよ」

続く

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