表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
ルーツ国の披露宴
82/217

試射


「わらひは戻ってきたぞおお!」


その声に隅でワインを飲んでいたイルミスは咳き込んだ。


「ゲホ!ゲホ!な、なんだ?あいつ完全に酔ってるな、直ぐ対応しないと。」


イルミスは近くのテーブルにグラスを置くと鈴の元へと向かった。

入り口近くの人たちは困惑していた。

どう対処していいかわからないからだ。


「鈴。ちょっとこい。」

「なになに、イルミスぅ。」

「お前酒飲んだな?」

「おいしかったよぉ。うへへ。」

「まったく…お前を連れて行った兵士はどうした?」

「へいし~?あー。リンがへんなことしてたよぉ。」

「…まぁ聞かないでおこう。お前は部屋に行って寝てろ。」

「や~だ~!もっとたべるしのむの~。」


そう言うと鈴はイルミスの静止を振り切り会場の奥に行ってしまった。


「まったく。」


イルミスもその後を追う。


「アゼリア~!アゼリア~!」

「ん?鈴か。部屋に戻ったんじゃないのか?」

「いや、まてあれは完全に酔ってるぞ。」

「そうだな。エリック王、あれは完全に酔っている。」


鈴が王女を呼び捨てで呼んだため周りではちょっとした騒ぎになっている。

そこへ一人の男が近寄ってくる。


「君!王女様を呼び捨てするなんてどういう神経してるんだい?」

「あ~?あなただぁれ。」

「僕の名前はエリス・クトロアーツ―」

「あああ!おもいだした。おーがの時に一緒に同行したぱーてぃの!」

「何?まさか君は鈴かな?」

「ひさしぶりじゃん!お、おさけもってる!いっしょにのもうよぉ~。」

「ちょっと!」


鈴に抱きつかれ慌てふためくエリス。

そこにイルミスとアゼリアがやってきた。


イルミスはエリスを、アゼリアは鈴を引き剥がす。


「ん~。あぜりあもっとのもうよぉ。」

「鈴、もう部屋へ戻れ。もうふらふらだろう?」

「だいじょーぶ!のめまぁす!」

「ダメだろ…。」


アゼリアが鈴の対応をしている時にイルミスとエリスは。


「お前貴族だったのか。」

「そうだよ。言ってなかったけど僕は貴族さ。ところでなんでイルミスがいるのさ?」

「いや、今日の披露宴に呼ばれたからいるんだが。」

「なぜ呼ばれ…ん?そうか鈴の銃つながりだね?」

「そうだ。」

「そんな計画があったなんてね。僕も驚きだよ。で、何でこんなことになってるんだい?」

「鈴はな酒癖が悪くてな…飲むなと言ったのだが飲んだようだ。」

「酒癖ねぇ。君のパーティはなかなか大変そうだね。」

「そうだな…。」


イルミスがエリスと話していると鈴がまたワインを飲み始めていることに気がついた。

ため息をつき、鈴の方へと向かった。


「おしゃけおいひい~!うへへへ。おにくもおいひい~!」

「やってしまった。」

「アゼリア王女様。」

「ん?イルミスか…すまん、鈴の酒癖が悪いとは知らなかったんだ。」

「いえ、それは仕方のない事です。我々もこの国を経ってからわかったものですから。」

「それにしても鈴をどうするか…。さきほど兵士に連れて行かせたが戻ってきてしまったからな。」

「おそらくそのうち自然と収まるでしょう。そろそろ限界なんじゃないでしょうか。」

「そうだな。もう真っ赤だしぶっ倒れそうだ。」


イルミスとアゼリアが話していると鈴がフラつき始めていた。

すでに何を言っているのかわからなくなっている。


アゼリアは鈴に近寄ると鈴はついに体制を保っていられずに倒れそうになった。

すかさずアゼリアが手に持っている食器と鈴を支える。

鈴はアゼリアの胸の中に倒れこんでおり、すでに寝息を立てていた。


「すまん。イルミス、鈴を頼む。」

「すみません。アゼリア王女様……ほら鈴、部屋に帰るぞ。」


そう言うとイルミスは鈴を背負うとまずアイリス達の元へ向かった。


「アイリス、鍵貸してくれ。」

「ちょっとまって。…はいこれ。」

「すまん。助かる。」


イルミスはそう言うと客室へと向かうために晩餐会の会場を後にした。


「まったく飲むなと言ったのに。」

「うにゃむにゃ。」

「いて。…頭を叩くな…。」


鈴は背負われながらイルミスの頭を叩いていた。

寝顔は酒のせいかとろーんとしている。

今にもとろけそうだ。


「さすがに一般の宿とは違うな。廊下の照明も魔道具で作られているのか。」


イルミスの歩いている廊下には一定間隔で発光している魔道具が壁に取り付けられている。

それでも蛍光灯ほどの光度はないが。

そんなに光らせたら魔力が足りなくなってしまう。


「この魔道具は周囲の魔力を吸収して光っているのか。メンテナンスフリーってところか。」


イルミスも魔力を使うようになって魔力を感じ取る事ができるようになったのだ。

ちなみにこの魔道具は魔力を吸収し、日からしている為廊下に存在する魔力が若干少なくなっている。

魔素から魔力への還元スピードの方が早いため光続けられている。


「さてここだな。」


イルミスは預かった鍵を使って扉を開けた。

部屋にはいると荷物を置いていないベッドに鈴を寝かせた。


「これでよし。会場に戻るか。」


そう言うと部屋を出て鍵を掛け会場へ戻っていった。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


「ふう。まさか鈴が酒に弱いとは…見栄をはらずに断ればよかったのに。」

「アゼリア王女よ。我らを目の前にして断るなどできないだろう?」

「まぁ、普通の人なら断れないな!ハハハ!鈴の意外な一面も見れて満足だ。」

「ところで呼び捨てで呼び合う仲と見たが、アゼリア王女は鈴殿とどのような関係で?」

「ちょっと前の暗殺事件と闇ギルドの襲撃は知っているな?」

「もちろん知ってるぞ。我が国でも警戒したからな。」

「その時にお忍びで遊びに行ってたら誘拐されそうになったところを助けてもらったのが鈴が所属するイルミスのパーティだったのだ。」

「ほう。しかしイルミス殿はどうやってお忍びを知ったのか。」

「どうも鈴が推理したらしい。」

「ほほう。銃の発明だけではなく、頭もいいのか。」

「ここだけの話だが、魔導ライフルはオリジナルの劣化コピーなんだよ。」


アゼリアが衝撃の事実を明かした。

エリックはあの性能で劣化コピーとは信じられなかった。


「まさか!アレで劣化コピーというのか!」

「少々声が大きい。」

「すまん。」

「本物は鈴が持っている。鈴は特殊な能力を持っていてな。」

「能力?」

「そう。銃や爆発する玉を創造できるのだ。その銃に使われている素材はこの世界には存在しないし、精巧な装飾など再現できない。何よりここが重要だ。鈴の使う銃には魔法的要素が使われていない。私が撃った銃はこんなにコンパクトだった。」


アゼリアはグロッグ18の大きさを手で表した。

それをみてエリックは表情を変える。


「かなり小さいな…。撃ったことは?」

「魔道ライフル並の連射力で魔導士を一人殺めた。」

「その小ささでその連射力とは…。いったいどうやってできているんだ。」

「よくわからないが小型化するには魔法的要素を無くすしかない。魔道ライフルは元のライフルが大きいだけあって同じようなサイズに出来たが、あれを小さくするとなると少々問題がでるとおもう。」

「魔法的要素の排除か。何か心当たりでも?」

「確か…ガンパウダーとかいうものを使っていると言っていたな。それがあれば小型化もできるだろう。」

「そのガンパウダーというものはなんだ。魔法の爆発で飛ばしているということはそのガンパウダーは爆発するのか?」

「そうだ。銃弾とガンパウダーは一緒になっているのを見た。」


王二人組は難しい顔をしながら話し合っていたため一部の客から何事かと思われていた。


「エリック王、とりあえず明日の朝にでも鈴に銃を撃たせてもらおう。」

「そうだな。そのように頼む。」

「イルミスの処に行って予定を伝えてくる。」

「はからいを感謝する。アゼリア王女。」

「何。気にするな。」


アゼリアはイルミスを探しに会場の中を歩き出した。

アゼリアがある先はモーゼのように広がっていく。


「お。アイリス。イルミスは帰ってきているか?」

「アゼリア王女。そろそろ戻ってくるはずです。ここでお待ちになりますか?」

「そうだな。まってよう。」


待つこと一、二分、イルミスが晩餐会の会場へ戻ってきた。

宰相を引き連れて。

それに気が付かずにアゼリアは思いっきり大きな声でイルミスを呼んでしまった。


「おーい。イルミス!こっちにこ~い。」


その声にイルミスと宰相が反応した。

そこで初めて宰相がいることに気が付いたアゼリアはやってしまったっと言う表情になっている。


「呼びましたか、アゼリア王女。」

「大声は出すものではないとあんなに教えたでしょう!」

「わーわー。宰相よ。あとで話聞くから待ってくれ。」

「いいでしょう。あとで社交マナーの復習ですぞ。」

「……イルミス。明日の朝鈴を借りたい。いいか?」

「大丈夫です。おそらく二日酔いになってると思われますのでこちらで治癒魔法をかけておきます。」

「たすかる。では私は戻るとするか。宰相ついてこい。」

「はい。それではイルミス殿。」


そういうとアゼリアはエリックのもとへ戻って行った。


「なんだか大変そうだな。」

「そうね。それで鈴は?」

「そうだったな。ぐっすり寝てる。たぶん明日の朝は二日酔いになってるだろうな。この間より飲んでたしな。」


イルミスは話しながら鍵を返した。


「また私の出番ね。まぁ、アゼリアの頼みだから断れないわね。」

「すまんが頼む。」

「わかったわ。」



*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



翌朝…。


「あ”ー。頭いだい…。」

「<癒しよ。ヒール>」

「あー。痛みが引いていくのだ~。」

「あんな酒で酔うとは鈴殿は弱いのぅ!」


アイリスが治癒魔法をかけながら飛鳥と話している。

本人はかけてもらって楽になっていくのだがアイリスのストレスがマッハである。

しかし、王女の頼みでもあるため我慢である。


「む~。飛鳥はどうなのさー。」

「妾か?そうじゃのぅ…鬼殺しとか言うほぼアルコールの酒も飲めるぞ。」

「そんなのお酒じゃない…。」

「それにしてもワインは甘かったのぅ。」

「ぐぬぬ…。」


アイリスが魔法の行使をやめると、鈴の頭を叩いた。


「あだ!」

「ハイ終わり。」

「叩かなくてもいいのにな~ありがとね~。」

「私は何でも屋じゃ無いのよ。」


しかし、治癒が使えるというだけでも重要視される人材である。

戦闘での傷が命に関わるおそれがあるからだ。


「じゃあ、これからアイリス様と呼ぼう!」

「それはやめて。」

「えー。」

「えーじゃない。」


そこへノックが響いた。

外から声が聞こえてくる。


「鈴様、王女様がお呼びです。」

「はーい!今行きます!それじゃちょっと行ってくるよん。」

「うむ。行ってまいれ。」

「私達は待ってるわ。」

「りょーかい。」


そう言いながら部屋を出る。

部屋の外には使用人が立っていた。


「アゼリア王女様は射撃場でお待ちです。」

「射撃場?」

「はい。新しい部隊のために新しく増設された訓練場です。」

「なるほど。案内してくれます?」

「わかりました。こちらです。」


使用人に案内されながら射撃場に向かった。

射撃場に近づくにつれ発砲音が聞こえてくる。


「ここの石材周りより大きめの使ってるんですね。」

「はい。騒音対策です。」

「うるさいからねー。」


使用人は扉を開けると、どうぞと手を伸ばした。


「案内ありがとう。」


そう言うと射撃場の中へ入っていく。

中には訓練中の兵士、アゼリア、エリックが居た。


「おはようございます。エリック王、アゼリア王女。」

「おはよう。二日酔いは治ったか?」

「はい。アイリスのお陰で。」

「そうか。さて早速で悪いのだが、前私に渡したグロッグ18だったか?アレを出してくれ。」

「わかりました。」


鈴はグロッグ18を創造するとアゼリアに見せる。

その様子を見ていたエリックは驚いていた。


「なにもない所から出てきたぞ?」

「これが鈴の能力だ。」

「なるほど。銃ならなんでも出せるのか。」

「鈴、この銃をエリック王に撃たせてやってもいいか?」

「はい。大丈夫です。」


鈴は撃ち方の説明と態勢の説明を簡単にレクチャーする。


「ふむ。こう撃つのか。」


エリックは訓練で使われている鎧に狙いを定め引き金を引いた。

銃弾は的を外れ奥の壁にあたった。


「意外と難しいな。しかし弓よりかは便利だ。…何か臭うのだが。」

「それは硝煙の匂いです。」

「魔導ライフルとは違うのだな。」

「これは魔法的要素を使っていないからな。それに触っててわからないか?この材質。見たことも触ったこともない。」

「そうだな。軽いし頑丈だ。どんな素材でできているんだ。」

「プラスチックと言う素材でできています。」

「プラスチックか。どうやって作るか知っているか?」

「そこまではわかりません。」

「そうか。残念だ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ