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優美な笑み
『六花彩湯国』の第一の首都の『藤』。
「髪の毛を藤の花や葉、蔓に変化させて、肉体を吸収して、動く骨にするおっそろしい藤色の温泉の犠牲になっちゃったのかしら? お仲間が」
理瑚は無言で固まっていた奏斗に向けたのであった。
それはそれは優美な笑みを。
「おまえがしたのか?」
「あら? 三樹矢と聖月の話をちゃんと聞いていなかったのかしら? 藤色の温泉が生まれたのは偶然の産物で、聖月が藤色の温泉に入ったのは好奇心だって。それとも何? まさか魔王を倒した勇者一行様のお一人がわらわ如きに操られるとでも言いたいのかしら?」
「理瑚。おまえは何の目的があって僕を利用しようとしたんだ?」
「そりゃあ決まってるでしょ。わらわたちの敵を倒す為」
「乱斗の事か?」
「いいえ」
「まさか、魔王の後ろに大魔王が待ち受けているとかって話じゃないよね?」
「まあ。そんなところかしら?」
「………じゃあ、だったら、大魔王とも秘湯に一緒に入るか」
「あら。本気だったの?」
「本気だって言ったら笑うかい?」
「笑うと思ってたんだけど。ふふ。どうしてかしら。あんたの顔を見たら、笑う気が失せちゃった」
(2025.1.19)




