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死神としての初仕事、魂刈り取ります! ……えっ?

先日「なろう」で小説を書き始めて生まれて初めて感想を頂きました。

すごく嬉しかったです。ありがとうございました。

○○○○○○○○○


 俺が「ミルク」という謎の叫び声を講義中に上げ、ガラスだか水晶だか製の謎の透明な髑髏のネックレスが首に掛かっていた翌日、その日は講義が三限で終わるので、晴れやかな気持ちで……


 講義が三限で終わるから……?

 いや、俺が今晴れやかな気持ちな理由はそんなことではない。


 なんだろう、頭に靄がかかっているようで思い出せないが、もう少し、もう少ししたら誰かと再会できるような、そんな漠然とした、かつとても幸せな予感とともに、俺は大学からのいつもの坂道を原付で下りていたのだった。


 そして、原付のタイヤが突然滑り、俺は原付ごと派手に横転してしまったのだ。


 なんだろう?


 既視感が、ある。

このままいけば、俺が倒れたところに折り悪く大型トラックが突っ込んでくるような……。

 

 ププーー!!


 響き渡る大きなクラクション。


 そして、ここからは既視感とは違う、全身が馬鹿でかいハンマーか何かで打たれるような衝撃。


 激痛。


 自分の周りに血が広がっていく。なんだこれは。


「み…るく…」


 なぜそんな言葉が口をついて出たのか分からない。

 ただ、その口の動きを最後に俺の体は動きを止めた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 数秒前。


 わたし、こと死神のミルクは、今回の仕事のために借りた、魂刈り取り用の鎌を振りかぶった。


 真彦さんは別に死の際に味わう痛みを拒否しなかった。よって肉体がほぼ死んでから魂を抜き取っても構わないだろう。


 でも、わたしはできるだけ真彦さんに死の苦痛を味わってほしくなかった。


 わたし自身、死の間際の痛みは味わったことがあるのだ。

 全身に銃弾を打ち込まれ、「痛い!」とほんの一瞬感じたときには死神さんが魂を抜き取ってくれていた。今思えば、やはりわたしを担当した死神は非常に熟達していたのだろう。

 そして、しばらくわたしの魂と肉体が細い紐のようなもので繋がっていたかと思うと、ぷつん!といきなり切れた。

 わたしはそれで分かった。


 自分は死んだのだと。


 そして、わたしは天界に連れて行かれる前に、死神さんから手鏡を渡された。

 そこには、女のわたしでも見とれるほどの美少女が映っていた。それで、記憶が蘇ったのだ。

 これがわたしが望んだことだったんだと。体型も実はもっと太っていたんだけど、かなり細く、華奢になっていた。本当はもう少し胸を大きくしてほしかった。けど、そこまでの贅沢は言っていられない。

 とにもかくにも、死んだわたしは天界に連れて行かれ、死者として新しい顔で満足した生活を始め、ほどなく死神養成学校に通い死神を目指すようになった。


 わたしに死を告げに来た、そして魂を抜き取った死神のメルテさんが言ってくれた言葉。


「『死にたくなかったことは、いいこと。それは、生きていて幸せだった証拠』」


 それを、他の人にも言ってあげたくなったのだ。そして、昨日、やっと、誰かに、真彦さんに言ってあげることができた。

 嬉しかった。そして切なかった。


 人の死に立ち会うこと。

 それがこんなに辛かったなんて。わたしは泣いてしまった。


 だけど、初めてわたしが死を告げた相手はこんな情けないわたしに「もう一度会いたい」と言ってくれた。

 それだけで、もうそれだけで、「死神になってよかった」と心の底から思った。

 死神は、憎まれて当然の仕事。天使と違い、死者から理不尽なことをいわれることもある、損な役回り。

 でも、天界ではとても重要な仕事なんだ、と、憧れた死神のメルテさんは言っていた。

 

 だから、わたしも死神の端くれとして真彦さんにもできるだけ死の苦痛を知らずに一瞬で終わらせてあげたい……!



「真彦さん!」


 そう叫んで、予定より数秒早く鎌を振るった瞬間だった。


 ドン!


 後ろから何か、誰かにぶつかられた。

はい、やっぱりミルクの処女喪失に邪魔が入りました。

少し短いですが、毎日投稿を心がけたいと思ったのでここで切りました。


ちなみに、この世界では完全に死ぬまで頭で魂と体が繋がっている状態になります。

その紐が切れるまでは心肺停止してても一応生きているわけです。

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