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第40章 ディズニーの並行世界(パラレル)とスパイたちの休戦

浅香家のリムジンが竜之介と百合を乗せ、夢のようなVIPの休日へと滑らかに走り去っていたちょうどその頃、舞浜駅の超満員の通勤電車のドアから、3年A組の残りの面々が文字通り押し出されていた。東京のゴールデンウィークの熱気は最高潮に達しており、この休暇の真っ只中にディズニーランドへ行こうという思いつきは、壮大であると同時に、自殺行為にも等しかった。入園ゲートの前に広がる何万人もの観光客の群れは、さながら荒れ狂う大海原のようだった。一般のゲストは、照りつける五月の太陽の下、果てしなく続く迷路のような柵に足をもつれさせながら、手荷物検査や金属探知機の枠をくぐるためだけに何時間も立ち尽くしていた。「三時間……地底旅行センター・オブ・ジ・アースの火山の中に入るだけで、丸々三時間だぞ!」軽量のスポーツジャケットに身を包んだ佐藤くんが、絶望したように隣を歩くみなみちゃんの肩に頭を乗せた。「俺、野球の連戦の方がこれより何倍も楽だわ。もう足がもげそう!」「佐藤、グチグチ言わないの。ほら、私たちの入園チケット持ってて」みなみちゃんは、ゲートのすぐ前で佐藤に無理やり買わせたミニーマウスの可愛いカチューシャを直しながら、楽しげにたしなめた。この二人は、性格の相性が完璧だった。共に情熱的で、ハイパーアクティブ、スポーツと絶え間ない動きを何よりも愛している。みなみは深く考えることもせず、佐藤の年がら年中動いている口を少しでも塞ごうと、彼の口に巨大な甘いチュッパチャプスを突っ込んだ。佐藤は大人しく静かになり、混雑した人の流れの中で離ればなれにならないよう、彼女の肩をそっと抱き寄せた。彼らの少し後ろからは、まるで修行僧のような絶対的な落ち着きを払って、もう一組のペアが歩を進めていた。相変わらず几帳面で隙のない田中くんは、航海士のような正確さでルートを確認しながら、紙のパークマップを恭しく手に持っていた。その隣では、大人しい優等生の真衣ちゃんが、いつもの眼鏡をかけ、恥ずかしそうに彼の肘を少し掴んで歩いていた。二人は共にインテリで、無駄な騒がしさを好まなかったが、この狂気のような混雑の真ん中であっても、二人きりでいられれば心地よかった。「数学的ロジスティクスの観点から言えば、」田中は眼鏡のブリッジを直しながら、淡々と論じた。「僕たちが今日、四つ以上の主要アトラクションを巡るという試みは、絶対零度へと限りなく収束しつつある。列での待ち時間が、実際に乗っている時間の四十倍を超えているからね」「でも、ここは音楽がとっても素敵だよ、田中くん」真衣は、薄手のマフラーに顔を深く埋めながら、優しく微笑んだ。「あそこにあるヴィクトリア朝様式のハウスの装飾を見て。職人たちが歴史的再現性にものすごい情熱を注いでいるのがわかるわ」「同感だ。アメリカンウォーターフロントの建築アンサンブルは、非常に高いレベルで完成されている」少年は頷き、通り過ぎる観光客に彼女がぶつからないよう、自分でも気づかないうちに真衣の手のひらをそっと握りしめた。真衣はその仕草に一瞬で真っ赤になったが、手を引き離そうとはしなかった。列は怠惰なカタツムリのような速度でしか進まなかった。佐藤が世界の不条理について再び熱弁を振るおうとしたその時、みなみちゃんが彼の袖を激しく引っ張った。佐藤は危うく飴を吐き出しそうになった。「佐藤! 田中! 真衣! 早くあそこ見て! 左側、あの閉まってるバックステージの通路のところ!」彼女は、重厚なベルベットのロープで区切られたVIPエリアの方を指差しながら、興奮して声を潜めて囁いた。友人たちはシンクロするように首を巡らせ、そして硬直した。彼らの終わりのない、心身を削るような列のすぐ真横を、完璧な正装に身を包んだパークの専属ガイドに案内されながら、竜之介と百合が平然と歩いていたのだ。百合の身には、あの薄いクリーム色のワンピースが揺れ、ツインテールが楽しげに弾んでおり、指先では太陽の光を浴びて、あの見覚えのあるダイヤモンドが眩い閃光を放っていた。竜之介は、峻厳で揺るぎない佇まいのまま、周囲の混沌を完全に無視して彼女の手をしっかりと引いていた。彼らの前では、バックステージのドアが一秒で開き、一分も待つことなくアトラクションへと続く涼しい通路が姿を現した。二人は信じられないほど、完全に幸福そうで、お互いの世界にすっかり溶け込んでいた。「嘘だろ……」佐藤くんは、衝撃のあまり口からチュッパチャプスをポロリと落とした。「これが66万円のVIPパスの威力かよ。俺たちがここで干からびそうになってる間に、俺たちのキングは指をパチンと鳴らすだけで『ディズニーの呪い』を根こそぎ粉砕してやがる」「スパイ三頭政治トリウムヴィラート……ううん、今や四人組クァルテットは、これをもって一時的に活動を休止します」真衣は眼鏡を直しながら、静かに、しかし悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。「みんな、間違っても声をかけよう。なんて思わないでね」「完全に同意する」田中は、閉じられていくバックステージのドアを見送りながら、恭しく頷いた。「僕たちの存在によって、彼らの完璧なロマンチックな隠れ家を台無しにしてしまう確率は、百パーセントに等しい。二人きりにしてあげよう。彼らには、誰よりもこの休息が必要だ」「そうだね」みなみちゃんは楽しげに微笑み、佐藤の体にさらに寄り添った。「私たちのロイヤルカップルは、並ばない自分たちだけの御伽噺を手に入れる権利があるの。で、私たちは……まぁ、佐藤くん、あと二時間もここに並ぶんだから、私を楽しませてよね!」「了解、キャプテン!」野球部員の佐藤は元気よく敬礼し、四人は揃って楽しげに笑い声を上げた。3年A組の恋する十代の二組は、親友たちの平穏を守るため、自ら影にとどまることを選択した。彼らはディズニーの行列に健気に立ち向かい続け、休暇の素朴な喜び、キャラメル味のポップコーン、そして五月の太陽の温もりを分かち合っていた。ゴールデンウィークはまだ続いており、龍と百合が高級ラウンジの閉ざされた扉の向こうに身を隠している間、その舞台裏では、彼らの友人が小さな学校の閉ざされた世界に対する、共通の、決して壊されることのない忠誠を誓い合っていた。

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