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十和の時  作者: 樹月
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最終話

「うわ〜!疲れた〜!」

11時45分より、お店のほうの店員は彼氏、彼女がいない人だけになった。

クラス委員からの心遣いだ。

一応十和もいるので、休憩に入った。

いっせいにみんなは時計台の下へかけていった。

そこでみんな待ち合わせをしているらしい。

十和はそれとは逆に、図書室に向かった。


文化祭当日の図書室は誰もいるわけもなく、静まりかえっていた。

そこでボーーっとしようと決めていた。

コーヒーを内緒で持ち込み、イツキが抱きしめてくれたときに座った棚に座った。

思い出すかのように。

「ねぇ、イツキ。ここからでは時計台は見上げれないよ・・・」

イツキに言うかのように、独り言を言ってみた。

もうそろそろ12時の鐘がなりそうだ。


文化祭当日のみ、伝説をさらに伝えるかのように、12時に鐘がなるようになっている。

「カーンカーンカーン」

「バンッ!!」

12時の鐘がなった瞬間、静まり返った図書室のドアが開いた。

「十和!!」

イツキだった。

「ゴメンネ。遅くなって。こっちおいで」

手をひっぱられ、窓際の床に座らされた。

イツキは閉まっていた窓を開け、十和の横に座り、

自分の足の上に十和を座らせた。


後ろから抱きしめながら、イツキは少しため息をついた。

走ってきたのだろうか。疲れた顔をしている。

「ねぇ、十和。上を見て」

「え?」

言われたとおり、上をみた。

「ぇ・・・」

図書室の一部がキレイに塗装されている。

そこに、下にあるはずの時計台がキレイに映し出されていた。

この学校の伝説。

文化祭二日目正午。カップルで時計台を見上げたら

一生一緒にいれる。


「十和。愛してるよ・・・」

イツキは十和の耳元でささやいた。

これで、時計台を見上げた、に当てはまるのかどうかは

分からないが、一緒に見れた満足感を感じ、

イツキの気持ちがきちんと伝わった瞬間だった。


ただ、待つことしかできないけれど

一生隣にいたいと思った瞬間だった・・・。

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