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神滅者  作者: おまめ
神の地
37/37

最後

神とは、絶対である。

触れることすら許されない存在。

だが――それを滅ぼし、力を奪う“例外”が現れた。

 

そのものは全ての神を滅ぼし最終到達点へ向かう

そのものは、統一された四聖権能を滅ぼしたあとも止まらなかった。


『権能』を取り込んだことで、そのものは初めて“すべての権能へ直接接続できる地点”へと到達していた。もはや奪う必要すらない。流れの起点そのものへ触れられる。神の園を満たしていた無数の権能、その循環、その選別、その生成、その管理――その全域が、そのものの認識へと接続されていく。


神の園が軋む。


それは崩壊ではない。拒絶でもない。存在してはならない異常が、構造の内部へ入り込んだことによる歪みだった。


本来、権能は分散されることで均衡を保っている。ひとつの権能はひとつの神へ。あるいは複数へ分配され、互いに干渉し、抑制し合うことで循環を維持する。それが神の園の根幹だった。


だが今、その前提そのものが崩れている。


そのものは『権能』を起動する。


瞬間、神の園全域に広がっていた権能の流れが反転する。


循環していた力が、一斉にひとつの方向へ引き寄せられる。空間が震え、権能同士の干渉が連鎖し、無数の光が奔流となって収束していく。神々へ分配されていた権能。封印されていた権能。未完成の権能。神格化される前段階にあった権能。すべてが、そのもののもとへ吸い寄せられていく。


それは奪取ではない。


命令だった。


管理者権限による、絶対的な回収。


神の園が抵抗する。構造そのものが流れを押し戻そうとし、分散を維持しようとする。だが遅い。そのものはすでに『権能』を得ている。根源へ接続した時点で、流れの優先権は奪われていた。


膨大な権能が流れ込む。


その一つ一つが世界を滅ぼせるほどの情報量を持ち、その一つ一つが独立した神格を形成できるほどの密度を持っている。普通ならば触れた瞬間に崩壊する。受け入れる以前に存在が耐えきれない。


だが、そのものは受け入れる。


肉体が裂ける。


骨格が軋む。


神経が焼け、思考が分裂し、存在の輪郭が何度も崩壊しかける。それでも、そのものは止めない。むしろさらに引き寄せる。


『黒炎』


『絶界』


『星砕』


『虚数』


『創世』


『終幕』


『因果断裂』


『深淵』


『魂喰』


『超越』


無数の権能が、そのものの内部へ叩き込まれていく。


互いに干渉し合い、衝突し合い、拒絶し合いながら、それでも強制的に統合されていく。神の園の均衡は完全に崩れ去り、空間そのものが悲鳴のような振動を発し始める。


本来なら、ここで終わるはずだった。


存在は耐えきれず崩壊する。


あるいは、取り込まれた権能同士が暴走し、内側から存在を引き裂く。


だが、そのものはなお立っている。


崩壊しながら維持している。


維持しながら、さらに取り込んでいる。


その異常性こそが、“鍵”だった。


数多ある権能が、ひとつの存在の内部へ収まっている。


あり得ない。


成立してはいけない。


その異常そのものが、“鍵”になる。


瞬間。


神の園の最深部で、何かが反応する。


それは権能ではない。


神ですらない。


もっと根源的な何か。


空間が静止する。


流れていた権能が止まり、循環が停止し、神の園そのものが沈黙する。まるで全域が、一つの存在の出現を待つかのように。


そして、そのものの身体を中心にして、空間がゆっくりと裂け始める。


裂け目の向こうには、何も見えない。


光もない。


闇ですらない。


認識そのものが成立しない空白。


だが、その“奥”から、確かな存在だけが現れる。


顕現。


『神々』


史上最強の力を持つ神。


それは単一の神格ではない。


神という概念そのものを束ねた存在。


あらゆる神話、あらゆる神格、あらゆる権能、そのすべての頂点として成立している“最終到達点”。


その姿は一定ではない。


見た瞬間ごとに輪郭が変わる。


巨大な人型にも見える。


無数の神々の集合体にも見える。


光にも、闇にも、宇宙そのものにも見える。


だが唯一変わらないものがある。


圧倒的。


その一言だけが、絶対的な事実として存在していた。


顕現した瞬間、そのものの内部にあった無数の権能が震える。


支配されるのではない。


“格”を理解させられている。


上位。


比較にならないほどの上位存在。


それでも、そのものは笑うように口元を歪める。


まるで、この瞬間を待っていたかのように。


神々が動くより早く、そのものは権能を解放する。


『終焉』


空間そのものへ終わりを与える権能。


発動した瞬間、周囲の構造が崩落を始める。


続けて『虚空断界』。


存在している空間そのものを切断し、因果ごと消滅させる干渉。


さらに『星喰』


超巨大質量を生成し、空間ごと圧壊させる権能。


『永劫』


『殲滅』


『神界強化』


『凌駕』


『不明』


『豪炎』


『絶対凍結』


『魂融解』


無数。


数え切れない権能が同時に解放される。


神の園が崩れる。


空間が裂け、時間軸が歪み、因果が崩壊し、神格そのものが耐えきれず消滅していく。余波だけで本来なら世界が何兆回も終わるほどの出力。


だが。


届かない。


『神々』は動かない。


回避もしない。


防御もしない。


ただ存在している。


それだけで、すべての権能が意味を失っていく。


『終焉』は届く前に霧散する。


『虚空断界』は切断そのものが成立しない。


『殲滅』は対象へ干渉する以前に格差によって圧し潰される。


どれだけ権能を重ねても変わらない。


差がありすぎる。


神々は、ただ静かにそのものを見下ろしている。


次の瞬間。


予備動作はなかった。


視線すら動いていない。


だが、権能が発動する。


瞬間、そのものの内部が裂ける。


違和感。


次いで激痛。


内側に存在していた権能が、強制的に引き剥がされていく。


『凌駕』


『殲滅』


『永劫』


『神獣』


『暴虐』


『魔法』


『神聖』


『法則』


『神話』


『権能』


そのものが積み上げてきたすべて。


神々から奪い、喰らい、統合し、自身の力として成立させてきた権能たちが、一つずつ剥離していく。


それは封印ではない。


拒絶でもない。


もっと単純で、絶対的な処理。


“元の場所へ戻されている”。


権能が、そのものから剥がれ落ちる。


空間へ放り出された権能は、次々に実体化していく。


『凌駕』が神となる。


『殲滅』が神となる。


『永劫』が神となる。


無数の神々。


かつてそのものが滅ぼしてきた存在たち。


あるいは、まだ神格化されていなかった権能たちまでもが、実体を持ち始める。


神の園が、再び神々で埋め尽くされていく。


その光景の中心で、そのものは膝をつく。


初めてだった。


完全に剥がされる感覚。


積み上げてきたものを、根本から否定される感覚。


それでも、そのものの目は死んでいない。


むしろ、さらに深く『神々』を見据えている。


理解している。


これこそが本当の最終地点。


これまでの敵とは違う。


四聖権能ですら前座に過ぎない。


『神々』。


あれこそが、本当に越えるべき壁。


剥がされていく権能。


崩れていく存在。


それでも、そのものはなお立ち上がろうとする。


神々は静かに見下ろしている。


次の処理を開始するために。


神の園全域で、無数の権能が再び唸りを上げ始める。


終わりは、まだ来ない。

第37話いかがでしたか?


最終決戦が始まりました


次回もお楽しみに‼︎


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