お宅訪問~ルーネ家~
アルシーとミーナの部屋にて
唐突に扉が開いてシルベリータが飛び込んできた
「アルシー!」
「どうしたの、さっき部屋に戻ったばかりじゃない?」
「そうだけど、今からルーネの家に行こ!」
「今から?」
アルシーには何故シルベリータがそこまで行きたがっているのか理解できなかった
「うん! ルーネの家ってお店なんだって! それで夕食まで時間あるからアルシーも行かない?」
「なるほどね、ルーミア準備を」
「はい!」
「ミーナも来るよね?」
シルベリータが尋ねた
「私は大丈夫よ、だけどシルとアルシーはその格好で大丈夫なの?」
「「あ……」」
「アルシー様、シルベリータ様、それは大丈夫ですよ!」
「あら、どうして?」
「先ほどドルイ様からアルシー様とシルベリータ様の服が入った荷物が届きましたので」
「なら問題はないわね」
(しかし、なんでシルの服まで俺の部屋にくるんだろうか……)
アルシーがこう思うのも当たりであるが、運賃がかなり高いというのが理由である
「やったー! これで行けるね!」
「じゃあシル、着付けね。」
「アルシー様、私がやりましょうか?」
「いや、大丈夫、二人でやるから」
「かしこまりました」
「ミーナ、ルーネ、ちょっと待っててね!」
「「う、うん」」
((話がどんどん進んでいく……))
二人の貴族の早さについていけていない二人の平民だった
アルシーとシルベリータが部屋に入った後
「お二人ともすみません……」
唐突にルーミアが謝った
「え、どうして謝るのですか?」
「そうよ」
「急に決まってしまいましたし……」
「まあ、そこはそうなんだけど、私は別に問題ないよ、どちらかというと……」
「私の家っていうのが一番びっくりしたよお!!」
「サーシャさんがいないという事は……」
「はい、私の家に……」
「では、もう逃げも隠れもできませんね」
「はぁ……」
「あ、そうだった、もしその店がアルシー様に気に入られる事があれば多分贔屓にされますよ」
「え、侯爵家から……」
(まあ、そうなると凄い事になるとおもうけどねー)
「ルーミアさん?」
「あ、いえ、なんでもないですよ」
「あの、ルーミアさん、普通の貴族って自分たちで着付けできるものですか?」
「多分できませんね」
「やっぱり……」
そうして
「着替え終わったよ!」
「ルーミア、馬車の用意を」
「はい!」
「じゃあ、皆行きましょうか」
「う、うん」
(ルーネがかわいそうだけど……どうしようもないのよね、というより私も行ってみたかったのよ)
「アルシー様、いつも場所に付けるので先に行っていてください」
「わかったわ」
アルシー達は学園の裏手にある馬車乗り場に向かって歩き出したのだった
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一足先にルーネの実家へ足を運んだサーシャはその実家の店に到着していた
「すみません」
「はい、いらっしゃいませ!」
「こちらはルーネ・ヴァルイさんのお宅で間違いないでしょうか?」
「え? ええ、そうですが……娘がどうかしましたでしょうか?」
「わたくし、フォンダー侯爵家長女シルベリータ様の奴隷でございます、主人はミーナさんと学園で同室となりまして」
「え、ええ! 侯爵様の……」
「ああ、心配しないでください、主人たちは身分というものを知っているようで知らないお方たちですので」
「?」
「噛み砕いて言いますと主人が対等に接していらっしゃるという事です」
「そ、そんな恐れ多い事を娘が……」
「それはさておき、本日はルーネさんの実家の店に行きたいというシルベリータ様とそれに付き添うジャンヴァルディ候長女アルシー様がこの店にいらっしゃるという事をお伝えに上がりました」
「え…………な、なんだって!」
「ですので、その心の準備をお願いに来た次第です」
「侯爵様がこの店にだなんて……」
「馬車でいらっしゃると思いますのですぐに来られると思います」
「店を掃除する時間は……」
「無いです」
「何という事だ……」
「あなた? どうしたの? そんな青い顔して」
そういって店の奥から一人の女性がでてきた
「ルー、俺たちは終わりかもしれん……」
「どうしたの! そこの貴方! うちの主人に何をしたの!」
「ルー違うんだ……その人は何も悪くないのだ」
「ならどうして?」
「実は……(省略)……とういう事なのだ」
「ええええええええ! それってヤバい奴じゃないの!」
「だから言っておるのだ!」
「すみませんが、そんな言い争いをしている場合では無くなりましたよ」
「「え?」」
「馬車が見えて来ましたので」
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馬車乗り場にて
「アルシー様すみません! こんな馬車しかなかったです」
「旧式ね……」
(この馬車、今でいうサスペンションとかそういうのまったく付いてないからな、嫌いなんだよ)
「アルシー、近いから我慢できるよ!」
「そうね、たまには旧式も悪くないかもね」
『馬車に乗れること自体が凄いのに』と他の二人は思っていた
「では行きますよ、アルシー様」
「お願いね」
そして馬車に揺られること30分
ルーネの店の前に到着したのであった




