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【BL】俺の伴侶が可愛すぎる!  作者: 笑田


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12/12

12話 君と手を取って共に

俺達が、アッシュホールド侯爵領に移り住んで2ヶ月が経った。


最初戸惑っていたクリスも今じゃ領にも、家族にも慣れた。

俺達は敷地内の別宅に住むことになり、

長兄のハリウルス兄上の家族が住む、本宅へ毎日通い、兄上の子、俺にとっては甥(8歳)と姪(5歳)に交じり読み書きの勉強をしているクリス。

俺よりも年が近い甥と姪と楽しく過ごすのを横目に見ながら

俺は変わらず料理を作っている。


目下の俺の目標はクリスの体調管理。

少しでも健やかになってほしくて、毎日料理を考えている。


扉を叩き部屋に入ると、楽しそうに机に便箋を並べ、手紙を書いている3人が俺に気づいて、手で書いている手紙を隠す。


「なんだよ!リド叔父さん。入ってくるならノックしろって」


「したよ」


「そうです!叔父様。ノックしないのは母様が怒ります」


「したって…」


俺に対して当たりがなぜか厳しいちび達に、持ってきたはちみつケーキの甘い匂いを漂わせ言い返す。


「ほ~、そうか~悪かったな~

せっかく、はちみつが届いたから、はちみつケーキを焼いたんだけど、

お前ら要らなかったようだな?」


「「な!!」」


子供たちの衝撃を受けた顔に引っかかったなと心の中でニヤリと笑う。


「残念だ~」


「いります!」


「叔父様のケーキは美味しいです!」


手を上げて欲しい欲しいと騒ぐ子供達の中で、ニコニコ笑うクリスが俺を見て


「ぼく、も、食べたい」


可愛い要求をしてくる。このように素直に反応をしてくれる伴侶の要求を断る事なんてしない。ついつい甘やかしてしまう。


子供達と毎日交流するせいか、クリスの言葉のつまりがだいぶ取れて話せるようになった。

人の目を見てコミュニケーションをとれるようになった事は喜ばしい。


伯爵家で色々な事を経験していたので、案外器用になんでもこなすクリス。

なんだかんだと使用人達に混ざって仕事を覚えては、帰りにポケットいっぱいのお菓子をもらってくる。


今は庭師の爺さんに植物の事も教えてもらうのが楽しいらしい。


春に結婚式をするために義姉様や姪っ子にアドバイスをもらいながら衣装の話をしたり、ブーケの花決めをしたり。準備を頑張っている。


そんな中懐かしい話もあった。

ハリウルス兄上が王都から帰って来た時に、


「リド、お前城の料理人に戻れって話しがあったのか?」


懐かしい話をされた。


「あったけど、断ったよ。

城って貴族関係で厨房も面倒だったからな…特に料理長…」


「あー……面倒だな。俺その料理長に捕まって、帰って来いって伝えてくれって言われたぞ」


俺、そんなに重宝されていた記憶ないんだけどな……

なんでだ?っと不思議に思っていると、父上が横から笑顔で言ってくる。


「あぁ、子爵家のあの爺か」


「ははは、あの人は爵位は気にしないけど面倒なんだよ」


俺の言葉に、笑顔の圧がこもった父上が嬉しそうに怖い事を言う。


「気にしないなんてことは無いさ。この間は、お前の素性を知って青ざめていたよ」


「この間?父上、何をしたんです?」


「王城に行った際に、すこーしね。少し話をしただけさ」


父上のニコニコしているのに圧の強い笑顔を見て

俺もクリスもお互い顔を見合わせ困ったように笑い合った。


クリスと笑い合う日々が俺の中で少しずつ、愛おしく積もっていく


幸せだな───


クリスの笑顔を見るたび、ここへ連れて来て良かったと思う。





そうして月日は巡り――――


ミモザが咲く丘が、黄色く染められた頃


暖かな風と共に家族に見守られ領地の教会で式を挙げた―――


クリスを大事にしてくれる俺たちの家族に、

クリスのお爺様である前伯爵家閣下に見守られ


拍手の中


彼はずっと笑顔だった


手はずっと繋いでいた。


カツ、カツ、カツ


石畳の両脇には、春を彩る色とりどりのチューリップ。

それに寄り添う白いカスミソウ。

花が風に揺れるたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。


俺はクリスと手を繋ぎ皆が待つ披露宴に歩いて移動しながら、クリスに俺の気持ちを吐露する。


「あの時、伯爵家で脅され始めた頃、俺はクリスのこの小さな手を守りたかった」


繋いだ手を愛おしく見ながら笑うと、


「リド…」


俺の言葉にクリスはこちらを見上げる。その瞳を愛おしく見つめ返しあの頃を思い出す―――


クリスが傷つくと分かった時点で、俺の中では全部終わっていた。

あとは、クリスを連れ出す為に動いた―――


俺が大人しく従った事で、伯爵たちはどんどん増長していった。

そう時間もかからないうちに、俺の給料が未払いになって法的に付け入るスキが出来た。


「未払いの給料の代わりに、俺に売られるように伴侶になったけど、嫌では無かったか?」


「リド…」


クリスは首を振り否定してくれる。そんなクリスに俺は目線を少し外し、自信なさげに呟く。


「今になって言うのは…男らしくないのはわかっている。

クリスが嫌でないのなら良いんだ…」


そんな俺にクリスは繋いだ手に反対の手を重ね足を止めた。


「リド、僕ね」


「ああ……」


繋いだ手を頬に当て、そして愛おしい君が、笑顔で俺に伝えてくれる。


「今、とってもとっても幸せなんだ」



あの細く弱々しく震えていた小さな子が


幸せそうに笑うその姿に

俺は滲んだ視界を、そっと袖で拭った。


「そうか…幸せか…良かった」



あの日守りたかった小さな手は、

今、俺の隣で幸せそうに笑っていた。


(完)


挿絵(By みてみん)

最後まで読んで頂きありがとうございます(❁´ω`❁)

BLなのに…BL感が少ないというか…

でも書いていて楽しかったです✿

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