それから
「はぁ」
放課後の教室、一人だけ席に座って、俺は窓の外を見ていた。
「瓢箪から駒と言うか、何と言うか」
あの幼馴染のしてきたことを俺が話し、不愉快生物の方も俺に怯えてぶちまけたことで裏が取れたようで、座学だけは成績のいい落第寸前の落ちこぼれと言う認識から非常識な幼馴染に振り回され続けた苦労人へと周囲からの認識が変わった。
「結局のところ、トレーニング負荷としての魔女座との関係も打ち明けることになったが」
それはきっと仕方ない。俺とて女性をなぶって喜ぶ変態さんと見られたくはなかった。ドM後輩の贖罪の為に俺に踏まれたりしているという設定とセットで明かしたので、俺の変態疑惑もその内たち消えてくれる筈だ。そう思いたい。
「こう、うまく行きすぎて怖くなるというか」
加えて俺の魔術剣士科への編入が決まったと、修学旅行から戻ってきた昨日、知らされた。なんでも話を全く知らされていなかったあの不愉快生物の親戚である教師が責任を感じたらしく働きかけてくれたらしい。
「アレの親戚ってことで俺も色眼鏡で見てたみたいだなぁ」
律儀なひとだった。初めて顔合わせした時は、一生徒相手だというのに本当に申し訳なさそうに頭を下げてくれた。
「このクラスの教室ももう見納めか」
隣の席に不愉快な生物がいていい思い出はあまりなかったはずなのに、ほんの少しだけさみしさを感じ。
「先輩、実習室借りに来ないと思ってたら、こんなところにいたんすか?」
「あぁ、プレスか。悪い」
約束していたわけではない、だが放課後も実技実習室を借りて魔術練習がもう日常になっていたからか、プレスはきっと使用申請をする事務室か実技実習室のドアが並ぶあの廊下で俺を待っていたのだろう。
「いい思い出はなかったはずなんだが、つい、な」
「……気持ちはわからないでもないっすし」
それなら仕方ないっすねと言いつつ近づいてきたプレスが俺の後ろで止まる。
「良かったっすね、先輩。編入するなら、同級生のパートナーが見つかるかもしれないっすよ」
「ん? ああ、そう言う可能性もあるか」
中途半端なタイミングでの編入だ。おそらく二人組所に俺が加わって変則的に三人組になるとか、そんな感じではあろうが。
「けど、放課後はまた付き合ってくれるんだろ?」
「え? あ、は、はい。当然っすよ」
「それなら、いい」
ただ一人、あの幼馴染だけは自主退学と言う形でこの学校を去ることになったらしいし、俺も編入で科が変わる。変化はあるが、変わらないものもあって。
「これからもよろし、とわぁ?!」
振り向き手を伸ばそうとした俺は、座っていた椅子が倒れかけてバランスを崩し。
「あ」
それは間違いなく事故だった。だが、俺にとって初めてのもの。始めてのおっぱい鷲掴みであった。
ハプニングキスで〆ようかと思ったら、空気に耐えられなかった。
あと、綺麗に〆ようとしたら文字数短くなってしまった。
だが、反省はしていない。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。




