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あの時、ああしておけたなら  作者: 狂い豚カレー
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⑭ノープラン

短めです!

 ――放課後。


 俺は軽音楽部の立ち上げに失敗した件を慎二に説明するため、パソコン部に来ていた。

 仮入部の期間はまだ続いている。


 慎二に今日あった出来事を話した。

 ついでにいかに彩ちゃんが可愛く、丘がクソッタレかも伝えた。


「そいつは災難だったな」慎二は笑いながら言う。

「でもやっぱ、丘は凄いな。普通はそんなこと人前で言えないぜ」

「言えることがいいこととは限らないけどな」と俺は言う。


「まぁそれはそれとして……。やっぱり軽音楽部の立ち上げは無理だったか。残念だな」


 慎二は心底残念そうに言う。

 昨日は相当楽しそうにギター弾いてたからな。


「やっぱやりたかったか?」

「ああ、昨日帰ってからギター弾いてたんだが、気付いたら日付変わってたよ。それにほら」


 そう言って慎二は俺に左手の指先を見せてくる。


「……これは凄いな。相当弾いてたんだな」


 慎二の指先は皮が剝けており、ところどころ赤くなっていた。


「夢中でやってたらこんな感じになった」

「夜中に夢中で皮を剝いていたのか……」

「そういう方に話を持ってくなよ」


 止められてしまった。

 指の皮はすぐに剝けるのに、お前の息子は永年反抗期なんだよな……。


「なんか同情した目で俺を見るのはやめろ」


 涙なしでは語れないだろ。

 今生では一つ上の男になれるといいな。

 俺は何も力になれないが……。


「とりあえず、部活云々は抜きにしてバンドはやろうぜ」

「ああ、俺はそうしたいな。スタジオも入ってみたいし」

「結局パソコン部に入るのか?」

「ああ。最初はこっちに入ろうと思ってたし。博和も入れば」

「そうだな……」


 ソフトテニス部に入ってそこそこ活躍するくらいなら、いっそパソコン部に入って別のことやった方が良いかもな。


「前向きに検討するわ。多分入るかも」

「おー、それがいい」


 慎二が嬉しそうだ。

 前世では慎二と同じクラスになったり同じ部活に入ることはなかったからな。


「ってか、話戻るけど」

「ん?」

「新田さんと仲直り出来たの?」

「……」


 あの後戻ってきた彩からは物凄いプレッシャーを感じおり、俺は声をかけることが出来なかった。

 だって、怖かったんだもん!

 なんで俺、セクハラしてしまったんだろうか……。

 最近、よく分からない衝動に突き動かされ、勢いで行動することが多い気がする。


「え? セクハラして終わり? ヤバくね?」

「いや……。大丈夫。何とかする」


 ノープランだがな!


――


 部活が終わる時間、俺は校門の前で待ち伏せをしていた。

 この案件は放置するとまずい――。

 俺の勘がそう言っている。

 勘に頼らずとも、冷静に考えれば分かる。

 偶然を装い、下校前の彩に声をかけ、関係を回復するのだ――。



 そうこうしていると、彩がやってきた。


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