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はじまり

駄作ですが読んでいただけると幸いです。

「おいお前!」


フランス中央部のマンという町の宿屋の前で騒ぎが起きていた。


青年が漆黒の外套を纏った騎士(おそらく二三十代でかなりの名品の装備を纏っていた。)につかかっていたのだ。


「何がおかしいんだ!」


青年の年はおそらく17、8くらいだろうか?

顔は整っているが、今は怒りで台無しになっていた。

また父か兄のお古なのだろうか?身に纏っている装備も色褪せており、それもまた青年の容姿を台無しにしていた。


「私を馬鹿にする勇気がないから、私の馬を笑ったのだろう!!」


青年の後方にいる馬を見てみるとなんというか……変な馬であった。


黄ばんだ肌をしており、デキモノもある。また背が曲がっており年老いた感想をうける馬だ。


野次馬達も笑いを堪えるのに必死で、それが青年の怒りに油を注ぐ。


「私がなにを笑おうが自由ではないのか?」


騎士はそういうと青年の相手をせず、宿屋に従者達を連れ入っていった。


「!?待て!でないと後ろ傷を負うぞ!」


後ろ傷とは相手に背を向けて逃げたときにできる傷であり、名誉を重んじる貴族や騎士などにとって大変不名誉なものであった。


騎士は振り返り

「私と決闘でもしたいのか?」


と言い返す。彼の従者達も剣の柄に手をかけた。


「そうだ!私の名前はダルタニアン。貴公に決闘を申し込む!」


青年は剣を抜く。

先ほどから酷かった青年の装備であったが、これは中々のもののようだ。

とはいえやはりお古で耐久値が低そうだが……


「良かろう、受けて立とう私はロシュフォール伯爵だ。ゆくぞ!」


対して騎士の剣は属に魔剣と呼ばれる類のものらしく、騎士が魔力を通すと無色のオーラが現れた。


それを見て野次馬達は我先にと逃げていく。


「はぁぁ!!」


青年は騎士に猪の如く襲いかかる。

荒いが力強い一撃一撃に対して騎士は流水の如く受け流し……


「『スラッシュ』!」


此処ぞというところでスキルを発動する。


スキルとは気力を用いて使う特殊な技のことで通常の自分では出せれない威力の攻撃や素早い動きまたトリッキーな行動をすることができる。


ただし、スキルも万能ではなく気力を消費しすぎると気絶してしまう。スキルを使った直後動きが停止する技後硬直というものがある。(これは使うスキルにもよるが『ステップ』などの補助スキルを使うことで回避することができる。)

などの欠点もある。


「くっ!『ブッキギ』!」


青年は寸前のところで魔法を使い、攻撃から身を守る。


魔法とはスキルと似ているが使う力は魔力であり、技後硬直がない。

が魔銃を使わないと魔法は使えない。

また魔法は国によって発音が違う。

スキルは少なくともヨーロッパでは同じで主に英語風である。



「ふん、中々やる様だが……『ジェットストライカー』『サウザントポーク』!」


速い。

一瞬のうちに青年の剣が折れ、青年の身体に無数の細い穴が開く。

そして青年が剣が折れたことに気を取られた瞬間


「『ステップ』せい!」


背後に周り込んだ騎士が青年の首筋を打つ。


「くっそ……」


青年は血まみれになり、大地に倒れた。


騎士は従者達に青年を宿屋の中に運ばせ、自分は折れた青年の剣と青年の持ち物を調べだす。


「……これはトレヴィル公あての手紙か」


騎士は躊躇うことなく手紙を開け、中身を見る。


《親愛なる友人トレヴィルへ

私のことを覚えてくれているだろうか?

もし、まだ我々の友情が消えていないのなら一つ頼みがある。

今そこにいるであろう男はワシのせがれだ。

剣の腕や魔法の才もまだまだではあるが、どうかせがれを助けてやって欲しい。

ワシは田舎者でパリにおる知り合いはお主しかいないのだ。

願わくばせがれを近衛銃士隊に入れるよう、力になってくれないだろうか…………》


(暗号の可能性もあるが…いやしかしならば何故この程度の者に手紙を運ばせる?となると普通の田舎貴族がかつての友に息子を任せた紹介状といったところか……)


他の持ち物も調べたが目ぼしいものは特にない。


そうこうしているうちに宿屋の前に馬車が止まっていた。

馬車の窓からは二十代後半くらいの白い肌をし、綺麗な金髪をした美女が顔を出していた。

騎士は従者達に青年を任せて、馬車に近寄る。


「猊下のご命令は?」


「イギリスへ行き、バッキンガム公爵がロンドンを出たかを確かめることです。」


「分かりましたわ。あなたは?」


「私はパリに」


「くそっ!待て!まだ決闘は終わっていないぞ!『エナジーショット』!」


目を覚ました青年が騎士に向かって魔銃の引き金を引く。


騎士は後ろに馬車がいるため避けるわけにもいかず剣で切り裂こうとする。


しかし、上手くいかず直撃は避けたものの被っていた帽子が宙を舞い、彼の左のこめかみにある引きつれたような傷跡が露わになった。


「まあ可愛らしいこと、ロシュフォール相手をしてあげたら?」


騎士は青年を従者達に抑えさせ、自分は近くに止めておいた馬に乗る。


「仕事で忙しいのでね。猪武者とやりあっている時間は無いのですよ。おいお前らそいつを宿屋に放り込んでおけ!」


「な、ふざけるな。くそっ!離せ!」


再び気絶させられる青年を横目に騎士は馬の頭を馬車とは反対にした。


「では、ミレディー御機嫌よう。」


「あなたもお気をつけて」


馬車はそのままカレーへと進んでいく。


「私も行くとするか……おい、早くしろ」


「は、はい!お前らもいそげ!」


そして騎士もまたパリへと走っていった。




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