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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 9

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異世界人は突然に 8

「と、とにかく!その人は魔王なんだから倒さなきゃならないの!そこをどいてくれない!?」



「嫌ですが。私のメアに指一本触れさせませんよ」



横を通り抜けて私の方に来ようとするイーリスを、ヴィサス様がガードする。



「くっ!アンタたちなんでそんなに仲いいのよ!普通ならいがみ合っているはずでしょ!?」



へー、こいつの中ではそうなのか。


なんか、こいつの中の私たちに興味湧いてきたな。



「もう!邪魔なのよ!今回はレオン……殿下はいないんだからアナタが拘る理由もないでしょ!?」


「それこそ何を言っているんですか。私にはメアが全てであり、人生そのものです」


「え、ええぇぇ…………」



さすがのイーリスも、ヴィサス様のこの発言にドン引きのようだ。


そして、私も絶賛ドン引き中である。



いくら親友とはいえ、さすがに愛が重いよ、ヴィサス様……



「ア、アナタ…レオン殿下が好きだったんじゃないの…?」


「レオン殿下のことは尊敬していますよ。でも、それはそれ。恋愛と尊敬は違いますよ」


「え…な、なんで……何もかも違うじゃない……」



随分とショックを受けているようだ。


そんなに、自身が知る私たちとは違うのか。



「さて、話も終わったようですね。帰りましょうか、メア」


「え?ちょっ、ヴィサス様!?」


「ヴィー、ですよ?メア」


「ヴィ、ヴィー!ちょっと強引ですよ!?」



私の背中をグイグイと押して、校舎裏の出入口に向かうヴィサス様。



「…ちょっと待ちなさい!アンタたち!」


「……まだ何か?」



出入口に向かう私たちを呼び止めるイーリス。


ヴィサス様は、うんざりした表情で振り返った。



「あのねぇ、アナタは知らないかもだけど、アナタがさっきから庇っているその女、魔王の転生者なのよ!」



おー!転生者のところまで言い当てるなんて、これはいよいよ情報漏洩を疑わないといけませんね。



「……その女?」



……おやおや?なんだか雲行きが怪しいですね?



「え、なに…?なんなの…?」


「…その女じゃない。メアリー様。わかりましたか?」


「え…そこ!?そんなことよりもっと気になるところあるでしょ!?」


「メアリー様。わかりましたか?」


「あ……はい、わかりました……」



ヴィサス様の鬼気迫る勢いに、イーリスも思わず敬語になる。



「って、そうじゃない!その…メアリー様は魔王なの!殺さなきゃまた人類滅亡の危機に__」


「そんなの関係ありません」


「…え……今、なんて…?」


「そんなの関係ありませんと言いました」


「え、嘘……信じないとかじゃなくて関係ない…?」


「はい。メアはメアなので。それ以上でも以下でもありません」


「え、あ…はい……」



まあ、ヴィサス様は私の秘密を知っているからそうなるのだろう。


しかし、ヴィサス様が私の秘密を知っていることをイーリスは知らない。


ヴィサス様の返答に呆然としている。



「……さて、今度こそ話は終わりましたね。それでは行きましょうか」


「え?あ、そうですね…」



イーリスに背を向け、改めて校舎裏の出入口に向かう。



「嘘…信じないじゃなくて関係ない……魔王が復活してもいいっていうの…?そんなのあり得る…?」



イーリスは、呆然と立ち尽くしたまま、何やらブツブツと呟いている。


なんだか見ていて可哀想になってきた。



「メア、気にしなくていいですよ。もう行きましょう」


「ヴィー……」



それから、私たちは振り返ることもせずそのまま校舎裏を出ていった。

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