異世界人は突然に 7
「お待ちなさい!私のメアに何してるの!」
「ヴィー?」
そのとき、校舎裏の出入口から声が聞こえる。
そちらに顔を向けると、ヴィサス様が立っていた。
ヴィサス様は急いで私たちのところに来ると、割って入るように私を後ろに下げ、イーリスの前に立ちはだかる。
「は?なんでアンタがここに来んの?」
「貴方が、私のメアを連れてどこかに行っているのが見えたからです。朝のときといい、嫌な予感がしたので失礼ながら追いかけさせてもらいました」
「…は?それだけで?アンタたち、そんな助け合うような仲じゃなかったでしょ?」
「何を言っているんですか。私たちは唯一無二の親友。切っても切り離せない絆で結ばれた、いわゆるパートナーというやつです」
「……え?何言ってるのこの人?」
私もよくわからなかった。
っていうか、私のメアって……
私は誰のものでもありません。
…そして、このイーリスの発言。
ところどころ引っかかる部分がある。
まるで、私たちのことをすでに知っているみたいな、そんな話し方だ。
しかし、イーリスの知っている私たちとはだいぶ違うようだが。
「おかしい……私の知ってる二人じゃないの…?」
今の発言から考えても間違いないようだ。
だが、何度も言うようだが私たちは今日が初対面のはずだ…まさか、どこかで会ってたとか?
『あー、この視線、思い出したぞ。この前覗いてたやつだな?』
「え、ルナ?」
頭の中で声が響き渡る。
ルナが、例の技で私の頭の中に直接話しかけてきたようだ。
『返事はしないでいい。変に声を出すと怪しまれるからな。一方的に話すぞ』
「…………」
私は無言で小さく頷いた。
『あいつは、この前校舎裏でヴィサスとそなたが話していたときに覗いていたやつだな』
「……っ!」
え、覗かれてたんですか?
というか、知ってたのなら教えてくださいよ!
と、不満を言いたいところだが今は何も言えない。
悔しいが、バレたら元も子もないので今は我慢する。
『なんかいろいろ言ってたぞ。メアリー・フェリシテは敵だー的な事をな』
「っ!!」
本当に何故そのとき言わないのか。
後でお仕置き確定だな。
『まあ、あの程度の小物、捨て置いても何も変わらんよ。力も、妾が知っている聖女と比べたら雲泥の差だしな』
……ルナ的に気にするほどでもないから報告もしなかった、ということだろうか。
というか、次は聖女?また新しい単語が出てきた。
最近は私が知らないことばかりだ。
まるで、意図的に私に情報を隠しているみたい。




