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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 7

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降臨 11

「…すまない、できたら下ろしてもらえないだろうか?」



男が申し訳無さそうに妾に話しかけてくる。


何やら下ろしてほしいみたいだが…



「それだと、あのキングゴブリンに見つかるかもしれん。今はまだここにいたほうがいいぞ」


「それはわかっている。だが、あのキングゴブリンがこれから行く場所は俺たちの国なんだ。放ってはおけない」



裏で、女も何度も頷いている。



「…あいつを止めるつもりか?そなたたちの実力では確実に死ぬぞ?」


「百も承知だ。今、俺たちの仲間が援軍を呼んでいる。あれだけの音と山が一つ無くなったんだ。さすがに異変に気づいて実力者を集めてくれるだろう。だが、やつの速度次第では間に合わないかもしれない」


「…だから、時間稼ぎをしたい、と?」


「そうだ。仮にも俺は狙われている国の王族だ。ここで逃げる訳にはいかない。俺には、国の民を守る責任がある」



そう言う男の表情は真剣そのもの。



…妾にもわかる。

民のために自身を犠牲にするのは、以前自分もやったことだ。


そして、それにものすごく覚悟がいることも。



よく見ると、男の腕が小刻みに震えていた。


やはり怖いのだ。

それでも、国の民のために自身を犠牲にすることを選んだ。



「…いいだろう、気に入った。そなた、名は何という?」


「俺か?俺の名前はレオンだ」


「レオンか、覚えておこう。そなたはなんて名前だ?」



レオンの後ろにいた女に顔を向ける。



「え、私ですか…?私はヴィサスと申します」


「ヴィサスか、わかった。それでは下ろしてやろう__と、言いたいところだが…」



むしろ、今の場所よりもさらに高いところに上昇させる。



「なっ!どうして!」


「そなたたちが気に入った。本当はそなたたち以外はどうでもよかったが、その心意気に免じて、あいつは妾が代わりに処理しよう」



そもそも、あいつが暴走したのは妾に原因があると言われれば、そのような気もする。


決着も、つけたいかつけたくないかで言えばつけたかったし、ちょうどいいと言えばちょうど良かった。

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