コンカラーという男 20
「俺の計画を邪魔しやがって…覚悟はできてんだろうなぁ?」
ギロリと、創造の聖女と薄い黄色の髪をした女を睨みつける。
「ヒィッ!ほ、ほら!だから余計なことを言ってほしくなかったんですよ!変に意識させてしまったではないですか!」
「およー?」
薄い黄色の髪をした女が恐怖に喚く。
しかし、肝心の時空の聖女はよく分かっていないのか、空気も読まず首を傾げながら頭の悪そうなことを言っている。
そんなムカつく奴らを早く血祭りに上げるべく、一歩前に踏み出そうと……
「……なんて言って、俺が無謀に突っ込んでくると思ったか?」
「……ん?」
……したが止めた。
何故なら、これが時空の聖女の巧妙な罠であることに気づいているからだ。
悠久の時を生きる時空の聖女があんな馬鹿なはずはない。
つまり、この状況は意図して作られたものだということ。
あの狡猾な時空の聖女のことだ。
俺が隙を伺い、退こうとしていることに気づいていたはず。
だからあえて馬鹿なフリを演じ、俺を挑発することで冷静な思考力を奪って無策に突撃させることで簡単に処理しようと思ったのだろう。
だが残念。
賢い俺の前では、時空の聖女の浅ましい策など通用しないのだ!
「いや、私は何にも知らなそうだから親切に教えて上げようと思っただけ__」
「ルミナス様!もう余計なことは言わないでください!」
「あ、何をする!モガモガ……」
……なにやらあいつらは、ここが戦場なのにも関わらず身内で口を無理矢理押さえるという茶番を始めた。
普通に見れば俺を舐めているようにしか見えないが、これもおそらく時空の聖女がしかけた巧妙な罠だ。
俺をわざと怒らせ、冷静さを奪う作戦なのだろう。
確かに、普段の俺なら即座にキレて飛びかかっていただろうが、罠に気づいているならなんて事はない。
すでに策を見破った俺に油断はないのだ。
「……ドール、マスル。お前たちに最後のチャンスをやろう」
「「……っ!」」
俺に気づかれていないと思ってあいつらが無駄に茶番を繰り広げている間に、後ろに控えている二人に話しかけた。
緊張からか、部下たちから息を呑む音が聞こえる。
「なに、簡単なことだ。あの二人の聖女をこの場から引き離し、時間を稼ぐだけでいい。その間に俺が残った奴らを血祭りに上げ、後は聖女たちを順番に殺ればいい。どうだ?簡単だろう?」
「……っ!はい!」
「お安い御用だぜ、コンカラー様」
俺からの最後のチャンスにすぐに頷く。
それもそのはずだ。なんせ、最後のチャンスとは言葉通りの意味だ。
仮に失敗したり断ろうものなら、その時点で俺は容赦なくこいつらを切り捨てる。
それを十分理解しているのだろう。




