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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 11
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緑鬼の王、再び 41

「ほう…合体魔法か。それでこの我を仕留めようというのか?」



キングゴブリンは一歩、プレシさんたちの方に近づく。


私は、そんなキングゴブリンの前に立ちふさがった。



「行かせません」


「行かせない?我を止めるつもりか?一体どうやって?」


「どうやって?もちろん、こうやってですよ」



私は構えをとる。


武器を失ってしまった今、私に残されたものは己自身しかない。



「ほう。なら、こういうのはどうだ?大地を司る精霊よ、巨人となりて我が敵を討て!ガイア・ゴーレム!」



その瞬間、空中に赤色の光り輝く玉が出現する。


そして、その輝く玉に向かって土やら岩やらが集まろうとして__



「そんなもの、完成する前に潰せばいいんです」



私は、土やら岩やらが集まる前に、コアと思われる光り輝く玉に向かって思いきり蹴りを放つ。


すると、光り輝く玉は全身にヒビが入ると、そのまま粉々に砕け散ってしまった。


集まろうとしていた土や岩は、集まる前にその場に落下する。



「なるほど、やるではないか。ならば、正々堂々正面からお前を打ち負かし、ゆっくりとあいつらを血祭りにあげるとしよう」



キングゴブリンも構える。


私の彗星をくらって大剣もハンマーもどこかに落としてしまったみたいで、キングゴブリンも何も持っていない素手の状態だ。



私とキングゴブリンの間に、ものすごい緊張が走る。



お互いの隙を探り合い、一歩も動かない永遠とも思える静寂。


しかし、その均衡もある出来事によりあっさりと壊れた。



戦いの余波でなぎ倒された木の枝の一本が折れ、地面に落下する。


そして、地面に枝が落ちたその瞬間、事態は一気に動き出す。




まずキングゴブリンが前に踏み込み、右ジャブを放つ。


私はそれに手を添える形で力をいなし、キングゴブリンの方から見て右側、つまり外に向かって避ける。


そしてその勢いのまま回転し、キングゴブリンの右脇腹に肘を入れようとする。


しかし、キングゴブリンはこれを素早くジャンプすることで回避。


キングゴブリンは空中で両手を握ると、そのまま落下と共に私に向かって渾身の一撃をお見舞いする。


私はそれをバックジャンプして避ける。


地面にキングゴブリンの拳が命中し、そのあまりの威力に亀裂が入り、地面はめくれ上がって破片が周囲に飛び散る。


私はそれを冷静に避ける。




よし、この程度ならなんとか耐えられます。

プレシさんたちとも距離があるから、余程のことがない限り攻撃に巻き込まれることもありません。


あと少し…耐えきってみせます!

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