表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 11
160/377

緑鬼の王、再び 36

「まだまだぁ!プレシハンマー強化っ!」



大地が盛り上がり、すでに出来上がっているハンマーにさらにまとわりつく。


そして、一瞬の内に今までのハンマーより二回りも大きなハンマーが完成していた。



「我々を舐めるのは早いんじゃねぇのー?まだまだこれからだぜ!」



巨大化したハンマーを肩に担いで、意気揚々と前に出るプレシさん。



「なんだ?お前は」


「おうおう!わたしを知らないたぁふてぇ野郎だ!わたしの名前はプレシ!今からお前をボコボコにする者だ!よく覚えときな!」


「おお…?」



戦闘中は性格が変わるのだろうか?


普段は陽気でありながらも、いざというときにはクールさも兼ね備えたイケオジのような人だったが、今は陽気一辺倒のただの調子づいたオジさんのようになっている。


その勢いに、キングゴブリンもどう扱っていいか分からず、困惑した表情を浮かべている。



「メアリーさん!わたしにいい作戦がある!」



名乗りを上げて満足したのか、困惑しているキングゴブリンを無視してプレシさんは巨大ハンマーを肩に担いだまま、私に近づいてきて耳打ちする。


ずいぶんとマイペースな人だ。



「作戦、ですか?」


「そう!まずは__」




ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・




「__で、どうだ?」


「わかりました。それでいきましょう」



プレシさんの作戦を聞き、納得したように頷く私。



「すまない。君を一番危険にさらしてしまうのは心苦しいのだが…」


「いいんですよ。私が一番適役なのは作戦を聞いていてわかりましたから」


「本当にすまない!それじゃあ、他の三人にも作戦を伝えてくる!」



申し訳なさそうに両手を合わせて私に謝るプレシさん。


私はそれを気にしていないと伝えると、プレシさんは申し訳なさそうな表情のまま、とりあえず納得して他の三人に作戦を伝えに行った。



「……作戦会議とやらは終わったか?」



キングゴブリンが、待ちくたびれたという顔で立っている。


私たちが話をしている間、キングゴブリン何もせずに待っていてくれた。





圧倒的な、強者としての自信と余裕。





それが、私たちが作戦会議をしている中わざと見逃した理由だろう。


私たちの作戦を正面から堂々と打ち破った上で、完璧に勝利する。


そうすることで自身の強さをより誇示できる上に、私たちがいくら策を弄したところで意味のない、いかに無力でちっぽけな存在か示したいのだろう。




…その余裕が敗因になるということを、教えてあげます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ