緑鬼の王、再び 28
「んー、どうしましょうか」
こちらは一瞬で終わってしまった。
流し目でプレシさんたちの方を見ると、まだ二匹のゴブリンオーガと戦っている。
戦っている姿を観察してみると、プレシさんたちはまずゴブリンオーガの攻撃を確実に避け、隙が出来たときだけ攻撃する、というスタイルのようだ。
レセプさんが撹乱、ゴブリンオーガの隙を作り出している。
そこをプレシさんが豪快に巨大ハンマーを振り抜いて、ゴブリンオーガを吹き飛ばしていた。
どちらの動きも危なげなく、まさに熟練の動きで見ていて実に安心感がある戦い方だなと思った。
……というか、プレシさんハンマーなんて持っていましたっけ?
レオン殿下のように、あの空間拡張の魔法がかかっている古代の袋でも持っているのだろうか?
…まあ、それはどうでもいいか。
一瞬助けようかとも思ったが、あの様子なら私がわざわざ助けに行かずともその内二匹を討伐出来るだろう。
ならば私がすることは__
「__ヴィー。障壁に穴を開けて下さい。外に出ます」
「え?でもメア。外になんて出たらゴブリンオーガがあんなにたくさん__」
「あんなやつらに私はやられたりなんかしません。それに、数匹ずつチマチマと倒していては埒が明きませんし、それなら私が直接行って殴ったほうが早いです」
「そ、そうですか?メアがそこまで言うなら…」
まだ納得はしていないのか、しぶしぶ準備するヴィサス様。
「タイミングを合わせましょう。ヴィーが障壁を開けた瞬間に合わせて出ていきます」
「わかりました。その前にメア、これを」
ヴィサス様が私の背中に手を伸ばす。
手の先には小さな光があり、私の背中に向かって飛んでいくと吸収されていく。
「メアの背中に目印を付けました。私が魔力を込めればその目印から私に向かって伸縮自在の魔力の紐が繋がります。もし私が危ないと判断したら、問答無用で引っ張って回収しますからね。これだけは譲れません」
そう言うヴィサス様の目は、有無を言わせないほどの強い意志を感じる。
いくら私が強いとはいえ、これだけの数が相手なのだから例外も起こり得る。
万が一もあるため、それを心配しているのだろう。
「……わかりました。それで大丈夫です」
「…ふぅ、受け入れてもらえてよかったです。それでは、準備しますね」
安心したのか、ホッと息をつくとヴィサス様は集中し始める。




