緑鬼の王、再び 22
「……メアリー様。目がお金マークになってます…」
「……はっ!」
おっと、いけないいけない。
興奮してついはしたない事を…
「_ハハッ!お気に召してもらえたようでよかったよかった」
私たちの様子を見て笑うプレシさん。
うぅ……お金にガメつい女と思われたんじゃないでしょうか…?
恥ずかしい……
顔を赤くして、うつむいてしまう私。
「さて、条件も気に入ってくれたということは、この依頼を引き受けてくれる気になったのかな?」
「…はい。国民を守るお役目、この私にお任せ下さい」
「ハハッ!まあ、そういうことにしとこうか」
そう言って、笑いながらプレシさんは立ち上がる。
「さて!それじゃあ早速行こうか!」
「行く?まさか_」
「そう!ゴブリンオーガの巣へさ!」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「__よし、もう少しで着くぞー」
やって参りました、ここはゴブリンオーガの巣の近く。
応接室からそのままこちらに向かってきて、今はこの前薬草を摘んだ場所辺りにいる。
「この辺でいいかな?よし、レセプ」
「はい」
プレシさんが合図を送る。
すると、付いてきていたレセプさんが腰に巻き付けたポーチから一つの魔道具を取り出し、私たちの中央に投げつけた。
魔道具は空中に浮かぶと紫色に光り輝き、私たちごと辺りを包み込む。
そして、光が私たちを完全に包み込んだあと、光は消えてしまった。
「隠密の魔道具です。これを使うと光に包み込まれた者の気配を消してくれます。完全にではありませんが、ゴブリンオーガくらいなら大丈夫でしょう」
魔道具の説明をしてくれるレセプさん。
隠密の魔道具とは珍しい。
こういうのはその仕様上、暗殺にも使えるため所持するのも難しいはず。
さすがは冒険者組合というわけか。
「それじゃあ、作戦会議を始めるぞー。まずはなぁ__」