緑鬼の王、再び 19
あれから数日が過ぎ、再び学園の休日。
私たちは冒険者組合の応接室に案内されていた。
なんでも「ゴブリンオーガの件は本部に報告しますので、もしかしたらその件についてお呼び出しするかもしれません。その時は冒険者証にメッセージが届きますので、よろしくお願いいたします」と、レセプさんが言っていた。
イーリスも「狙い通りです!呼び出しがあったらすぐに行きましょうね!」と、なにやらやる気に満ちた様子。
呼び出しがある際は冒険者証が少しだけ赤く光るらしく、冒険者証の顔写真を押すとメッセージが空中に浮かび上がる仕組みらしい。
そして、前日呼び出しのメッセージが届いたので、イーリスとヴィサス様を連れて冒険者組合に来たところ、応接室に案内された、ということである。
「メアリー様!やっとですね!」
「ん?なにがですか?」
「えっと、恐らくなんですけど__」
コンコンコン、ガチャッ。
そのとき、応接室の入口からノック音が聞こえ、ドアが開くと二人入ってきた。
「お待たせしました。ちょっと準備に手間取りまして」
一人は、以前受付で担当してくれたレセプさん。
相変わらずタイトスカートの制服を着こなす美人っぷりだ。
「やぁやぁ、お待たせしてすまない!」
そう言って、もう一人の男はドカッと大股開きで私たちの向かい側の椅子に座った。
紺色のシングルスーツを着こなし、その明るい雰囲気は見ただけでこの男が陽気な人物だと分かる。
身長は高めで、私よりも頭二個分ほどは高い。
体格もがっしり目で、筋肉質な身体はスーツを内側から盛り上げるように押し上げていて、その存在感を主張している。
髪は茶髪の角刈りで、鼻の下の整えられた髭が妙に似合っている。
いわゆる、イケてるオジさん。
略してイケオジというやつだろう。
なんかこの前イーリスが言ってた。