緑鬼の王、再び 18
「やった♪これでメアリー様とあんなことやこんなことを…♪」
イーリスはこの先の私のご褒美を想像して顔を緩ませている。
「こうなっては仕方ありません。一時休戦としましょう、イーリス様。可能な限り抜けがけはしないようにして、ご褒美の内容もお互いで確認し合いましょう」
「…うーん、まあ仕方ないか。そうしよう。でも、アナタがいうように絶対抜けがけ禁止だからね?」
「もちろんです。貴方もですよ?」
「任せなさい!」
なんか知らないが、お互いの顔を見て頷き合いながら握手するイーリスとヴィサス様。
……まあ、喧嘩しなくなるなら良しとしましょう。
「__メアリー様」
「わ!れ、レセプさん?」
「はい、レセプです」
イーリスとヴィサス様の方を見ていると、真後ろから声が聞こえてビックリした。
慌てて後ろを振り返ると、そこにはレセプさんが立っていた。
気配も何も感じなかった。
もしかしてレセプさんって強い?
「気配を消してに後ろに立たないで下さい。ビックリするじゃないですか」
「フフフ、申し訳ありません。昔から足音や気配を消してしまう癖がありまして。これでも私、かつては高ランクの冒険者だったんですよ?」
そう言って、レセプさんは片目を閉じながら右手の人差し指を唇に当てる。
「というかレセプさん!貴方が魔法の言葉を言えば丸く収まると言うから言ったのに、むしろややこしくなったではないですか!」
そのせいで、ご褒美にアレコレ要求されそうでこの先憂鬱です。
レセプさんは、私の抗議の言葉を聞いて目を少し細めた。
「…本当にそうでしょうか?」
「…どういうことです?」
「お二人を見て下さい」
レセプさんの言う通り、二人の方を見てみる。
すると、これからどうするかを仲良く話し合う二人の姿があった。
喧嘩する様子は少しもない。
「__これが、メアリー様の求めていた姿では?」
「……確かに、そうです…」
「なら、何も問題はありませんね。ミッションコンプリートです」
「まあ、はい……」
なんか、上手く流されたような気がする。
しかし、今のあの二人の姿が私の理想であることもまた事実。
なんか気に食わないが、一応喧嘩しなくなったのでこれで良しとする。
「なら、次はアタシがこのご褒美をお願いするから__」
「いっそ、二人同時にご褒美をもらうというのは?」
「お、それナイスアイデア!二人同時なら、少し過激になっても良いよね?」
「まあ、多少は…」
「フフフ……」
「フフフフフ……」
……本当に大丈夫ですよね?




