白黒ハッキリつけましょう 24
「だって、普通に考えてみてください。無色だなんだと馬鹿にしてくるかと思えば、次の瞬間には手のひらを返して私に媚を売ったり、挙句の果てには私のために?……フフッ、笑っちゃいますよね」
「くぅ…っ!」
私の嘲笑をたっぷりと込めた皮肉に、顔を真っ赤にして一丁前に恥じているみたいだ。
「さて、お話も終わったようですし、これで失礼しますね」
私は再び、出口に向かって歩き出す。
「……ちょっと待ってください!」
「…はぁ、まだ何か?」
再び呼び止められ、ウンザリしながら振り返る。
「……後で後悔しますよ…私たちの手を取らなかったことを…」
私のことをものすごい目つきで睨みつけてくる。
よっぽど、先ほどのことが頭にきているらしい。
「…後悔?私が…?貴方で……?フフッ」
その言葉に、私は思わず笑ってしまう。
「ムッ!何がおかしいんですか!」
「いえ、失礼。貴方があまりにもおかしなこと言うものでつい…貴方、お笑いの才能でもあるんじゃありませんか?」
「そんな訳ないでしょう!?私は何もおかしなことは言っておりません!」
さらに顔を真っ赤にして、必死な顔で抗議してくる女生徒。
「フフッ、真っ赤な顔をして、お可愛いこと」
「このっ!馬鹿にして!許さ__」
「そんなにご不満がおありなら、後でと言わず今後悔させてみては?」
「ないんだから__って、え…?それはどういう…?」
「決闘、しましょう」
「…………え…」
私の言葉に、女生徒は思わず口ごもってしまう。
「いい案でしょう?決闘して私に勝てば、偉そうな私の鼻を明かせる。その上、言うことを一つ聞かせることも出来ます。どうです?」
「いえ、それは、その……」
口ごもったまま、歯切れの悪い返事を繰り返す女生徒。
「なんですか?やらないんですか?」
シュッシュッと、手はイーリスを抱えてて使えないので足で蹴るマネをする私。
「いや、だってそれは……」
「なんですか、煮えきらない態度ですね。まあ、やらないならそれでもいいです。ただ__」
私は、模擬戦用の広場全体を見渡す。
「この子はもう私のものです。つまり、この子に何かあれば私のものに手を出したと見なしますので、もしものときは……容赦しませんよ?」
「ヒッ…!」
「うわっ…!」
あちらこちらからちょっとした悲鳴が聞こえる。
ちょっと忠告してあげただけなのに悲鳴を上げるなんて、失礼じゃありませんかね?