白黒ハッキリつけましょう 9
「連射連射!」
光弾を放ったそばから再び光弾を生成し、それをまた放つ。
私はそれを、高速で移動して避ける。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「はぁ……はぁ……いつになったら当たるの……?」
それから1分くらい経って、さすがに疲れたのかイーリスは魔法を放つのを止めた。
地面は光弾の爆発の影響で大量のクレーターだらけになっており、模擬戦用の広場がまるで爆撃の爆心地になったかのような有様だ。
「あー、ここ直すの大変そうですね」
どこか他人事のように呟く私。
「はぁ……そう、思うなら……はぁ…当たり…なさいよ……はぁ…」
「は?何故当たってあげないといけないんです?」
私は、近くにある手頃な瓦礫を持ち上げる。
「え?それ…いったいどうするの…?」
「どうするのかって?こうするんですよ」
私は、大人三人分はあろう手頃な瓦礫を振りかぶる。
「それ、いきますよー」
「え、あ、ちょっ!きゃあぁぁぁぁっ!!」
振りかぶった瓦礫をイーリスに向かって投げつけた。
綺麗な弧を描いて飛んでいく。
イーリスは、悲鳴を上げながら地面を転がるように這って逃げる。
そして__
ドズン……ッ!
その直後、さっきまでイーリスがいたところに瓦礫が落下した。
「ちょっ!ちょっとアナタ!危ないじゃない!」
涙目になりながらイーリスはこちらに振り向くと、抗議の視線を向ける。
「何を言ってるんですか。今は決闘の最中ですよ?ほら、次行きますよ」
私は再び瓦礫を持ち上げる。
そして、イーリスがいるところに向かってまた投げた。
「え、嘘っ!きゃあぁぁぁぁっ!」
慌てて走り出すイーリス。
「ほらほら、もっと動かないと当たりますよー」
そこに容赦なく瓦礫を打ち込みまくる私。
辺りには、瓦礫の落下音とイーリスの悲鳴が何度も響き渡った。