白黒ハッキリつけましょう 10
ドズン……ッ!
「ちょっ!やめ…っ!」
ドズン……ッ!
「もう…走れな……」
ドズン……ッ!
「人は走れないって言ってからも結構走れるもんですよー」
「ちょっ!ふざけ__」
ドズン……ッ!
「いやぁっ!!」
「……なぁ、ゴヴェルよう。あれ見てどう思う?」
「どうって言われましても……」
「あれはな、イジメって言うんだ。ほら、あの顔を見てみろ」
「笑顔…ですね」
「だろ?普段あんな顔したことないだろ。あいつ、普段は綺麗なおすまし顔してるくせに、本性はイジメるのが大好きな加虐趣味のヤバい女だったってことだ。おー怖い怖い」
『__と、言っておるが?』
「ゴヴェル様は後で誤解を解くとして、シルトのやつはお望み通り、後でたっぷり私の趣味とやらに付き合ってもらいましょう」
それに、私別に笑顔になんてなっていませんよ。
まあ、最近ウザ…ちょっと賑やかなことが多かったので、ストレス解消に利用してるかと言えば否定はしませんが。
あ、それはそれとしてシルトのやつは後でねじります。
「…だが、あれは少々やりすぎなのではないか?誰が見てももう勝負はついてる」
「それは…わかりませんが何か考えがあるのでは?」
レオン殿下とヴィサス様が、少し可哀想なものを見る目で私たちの決闘を見ている。
いえ、別に何もありません。
ただ瓦礫を投げ出したら、なんだか楽しくなってきちゃっただけです。
特に深い意味はありません。
「あんなに必死に走り回って。なんだか可哀想だな」
「ああ、弱いものいじめみたいだ」
ギャラリーの印象も徐々に悪くなってきているようだ。
このままでは、今ある噂にさらに悪い噂が上乗せされてしまう。
仕方ないですね。
そろそろ決着をつけるとしましょう。
私は瓦礫を投げるのを止めると、一歩でイーリスの目の前に現れる。
「ひっ!な、なに…?」
もうすっかり怯えた表情をしている。
そんなに私酷いことしました?
これにはさすがの私も罪悪感を覚える。
さっさと気絶させよう。
そう思い、腕に魔力を集めて拳を作る。
もちろん、気絶するギリギリの範囲の威力に調節することは忘れない。
でないと、高いところから落としたトマトのように真っ赤なお花が咲くこと間違いなしだ。
「…ん?いや待てよ……普通に走り回る……?」
「どうかされました?レオン殿下」
レオン殿下が何やら考え込みだした。
それを見てヴィサス様が心配している。
まあいいです。
それでは、私も終わらせるとしますか。




