↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕だけの箱庭  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/8

p.8

 僕は男がしていたように、青い光をポンポンと優しく叩く。すると青い光は、僕に応えるように、グンと僕を飲み込み、自身の内部を見せてくれる。


 眼前には広大な海。途端に大きな音を立てて氷塊が崩れていった。僕は、手をサッと払い、景色を変える。


 緑豊かな大きな山が、恐ろしい音を立てて、地滑りを起こす。キラキラと青く光る大きな川は、ゴミや油が溜まり澱んでいる。しかし、前任者が慈しんだ者たちは、そんな自然の悲鳴には気がつかず、楽しげに日々の営みに精を出している。


 力の不均衡によって起きてしまった箱庭の崩壊。それを止めるには、箱庭内の均衡を保てば良いのだ。


 つまり力を持ち過ぎる者たちから、力を奪うか、数を減らせばいい。単純に考えれば、たったそれだけのことだ。


 箱庭に害をなす者の排除。それも世話役の仕事のうちだろ。排除ののち、ゆっくりと箱庭の傷付いた箇所を修復していけば良い。


 そうは思うのだが、前任者の思いを聞いた後では、そんなに簡単に彼らだけを切り捨てることもできない。彼らもまた前任者によって大切に育てられた箱庭の一部なのだから。


 僕は、箱庭の中を溌剌と動き回る彼らに注視する。


 箱庭の中で我が物顔で自由気ままに過ごす小さな者たちを見ていると、彼らの中に、周りの自然を気にかけて、自身らが痛めつけた箇所をなんとか修復しようとする者たちがいる事に気がついた。


 自ら培った高度な技術で環境を回復させようとする者、せっせと動き回り、現状維持に努める者。


 小さな者たちは、力を()過ぎたかもしれない。自身の豊かさを優先させて、箱庭を崩壊へと導いてしまったかもしれない。


 しかし、身につけた、高度な知識を箱庭の修復のために正しく使うことができたなら、彼らを排除しなくても良くなるのかもしれない。


 これはあくまでも、僕の希望的観測だ。


 だが、僕はもう少しの間、前任者が愛した箱庭の小さな者たちを残しておく事を決めた。


 僕もこの箱庭の小さな住人を気にかけよう。


 但し、彼らを無闇に愛すのではなく、彼らが僕と共に、この箱庭を愛し、護ってくれる存在へと育てていこう。


 いつかその思いが彼らに届いたなら、箱庭の崩壊も止まるだろう。


 僕は、僕だけの箱庭を守るための手段を決めると、崩壊箇所を癒すために、箱庭の至る所に力を送る。


 そして僕は最後に願いを込めて、小さな者たちに少しだけ力を送る。


 彼らを含む、箱庭の全てのものをいつまでも見守っていけるようにと願いながら。

完結しました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。