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都市伝説事典  作者: ニカイドウ
幽体離脱編
62/137

7話 ウワバミ蛇子

連日投稿7日目です。

「くゥーッ!面白クなっテ来たヨ!さァ、指狩りジャンケン2戦目始めるネ!2人トモ準備ハ良いカ?」


 珍さんは興奮している。いや、珍さんだけじゃない。この場にいる全員が妙な興奮状態の中にいる。

 そして、御堂タケルも例外ではなかった……。


「ちょっと待ってくれよ珍さん!」


 タケルは珍さんに声をかける。


「どうしたネ?御堂タケル……。」


「……賭けるの、両手にしても良いか?」


 タケルはどうして自分がそう言ったのかわからない。ただ、妙に体が熱い……。もっと賭けたい!

 珍さんは、焦らすように少し考えるポーズをとった後、


「ウンウン!まだ始まってナイかラ良いアルよ。でも、ウワバミさんノ了解が得らレれば……だケドね。」


 と言ってウワバミ蛇子のほうをチラリと見る。蛇子は即答する。


「……あら、私ならよろしいですわよ。」


 蛇子はにっこりと微笑む。


「か、かわいい……。」


 じゅんぺいは、目をハートマークにしている。


「デ、ウワバミサンはどうすルノ?あなタも両手にすル?相手が両手ノ時は両手賭けタほうが良いアルヨ……。」


 珍さんは蛇子に両手を賭けるよう促す。しかし……。


「いいえ。私は片手にさせてもらいますわ……。」


 蛇子は憮然とした態度でその申し出を断る。


「どうしテヨ?両手ニ片手ハあまりにモ不利ネ?」


 タケルも気になる。蛇子さんは何故不利な状況を選んだのだろうか?

 しかし、その理由はあまりにも簡単……。

 蛇子は口を開く……。


「……私は片手で良いんですの。いいえ。片手が良いんですわ……。なぜなら私は、そのギャンブルが不利であればあるほど…………、(たぎ)りますもの!」


 そう言った蛇子の両目が赤く光ったような気がした。

 タケルは思う。

 まさかこれは、都市伝説の暴走……?

 しかし都市伝説事典は反応していなかった……。

 次に蛇子はタケルに向き直り、近づいて来る。


「ねぇ、あなたにも分かりますでしょう?」


「!!」


 急な蛇子のフリに驚くタケル。即答出来ない。それ以前に何を質問されているのかも分からない。

 だが、タケルの中の高揚感が彼の口を借りて言葉を紡ぎ出していく……。


「…………タギ……ル……だっけ?まだ習ってない言葉だけどさ、体が……熱いんだ。全身の血が沸騰してるみたいに。もしそれがタギルって事なら、俺も今全身がタギッてるみたいだ……!!」


 蛇子は恍惚な表情を浮かべてこう言った。


「そうそうそれですわ。生きているって感じるでしょう?それがギャンブル!ギャンブルは生を感じさせてくれるのですわ!!」


 甘い香りがする。いや、もうこの部屋自体が甘い。だが、部屋の中にいる者はもう誰一人そんな事には気づかない……。


「……60センチ以内に近づいたネ!指狩リジャンケン2戦目スタートヨ!!!!」


 珍さんの声が部屋に響き渡った……。


タケルと蛇子の指狩りジャンケン2戦目は明日です。お楽しみに!

初めての方へ

もっと都市伝説事典を知りたい方は是非53部分〜55部分のあらすじをご覧ください。

もっともっと都市伝説事典を知りたい方は是非1話から読んでやって下さい。お願いします。

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