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都市伝説事典  作者: ニカイドウ
幽体離脱編
61/137

6話 敗者の末路

連日投稿6日目です。

「勝者、狭山じゅんペイ!!」


 珍さんが勝ち名乗りを上げる。

 界二郎(カイジロウ)はその場に崩れ落ちる。両膝と両手のひらを床に付けうな垂れる。そして下を向いたまま動かない……。

 何処から現れたのか、バニーガール姿の綺麗な女性がじゅんぺいに馬鹿デカい封筒を手渡す。


「こ、これってまさかっ!」


 封筒をもらい、興奮気味のじゅんぺい。タケルはじゅんぺいに近寄る。


「か、金?金だよな?金なんだろじゅんぺい!」


 タケルも興奮している。


「うん。多分。しかもこの手触り……。札だよタケル!札束だっ!!」

 もちろん二人は中身を確認しようと、封筒に手をかける……。

 その時、珍さんが声をかけてくる。


「……そレ、今ノ勝負ノ配当ネ。あ、今ハ中身確認しないデヨ!すグ次ノ勝負行くからネ!!ハイハイ、サッサと封筒お姉さンに渡スネ!!」


 訳の分からないまま、封筒は再びバニーガールに取り上げられ、部屋の外へと持って行かれてしまう……。


「ト、そノ前ニ、界二郎サン……退場ネ。」


 珍さんがそう言うと、次は屈強な黒服の男が二人、界二郎の両脇を抱えて持ち上げる。


「い、いやだ!指は勘弁してくれっ!何でもするっ!借金だってちゃんと返すからっ!!」


 叫びながら暴れる界二郎。しかし、黒服の二人は動じない。


「駄目ネ……。連れてっテ……。」

 珍さんのその言葉を合図に黒服二人は、叫ぶ界二郎を連れて入って来た所とは違う扉へと消えて行った……。


「あれ?あんな扉あったっけ?」


 じゅんぺいが扉へ近づく。


「危ないヨ!」


 珍さんの声にじゅんぺいはビクッと一瞬立ち止まる。

 すると、ゴゴゴ……という男と共に扉の前に壁がせり上がって来た。

 もう少し近付いていれば、じゅんぺいは壁に持ち上げられて天井に潰されていただろう……。


「こえーっ。」


 じゅんぺいはブルッと身震いをした。


「……この部屋ハ小さイけド色々ナ仕掛けありまス。動き回ルと危険ネ。」


 珍さんが注意する。が、タケルにはそんな事よりあの扉の先が気になる。


「……で、界二郎さんはどこに行ったんだ?」


「お支払イネ。」


「まさか、向こうで指を切られてるんじゃないよな……?」


 タケルは、自分の口から出た言葉を聞いてハッとする。

 お金で興奮していて忘れていた。珍さんは中国人マフィアだった……。

 しかし、何故だか先ほどまでと比べて恐怖が薄れているような気がする。再びお香の甘い匂いがする……。


「……お支払イ方法ハ個人情報だかラ教えらレなイね。」


「…………。」


 怪しい……。

 あの扉の向こうはもしかしたら拷問部屋なのかもしれない……。


「どうしたノ?怖くナタカ?」


 珍さんの声が再び鋭さを増す。


「……でモ、モウ止めル事出来ないヨ。これガ大人ノゲームネ。」


 フフフッ


 そんな緊迫した状況で、笑う女性の声が聞こえる。

 タケルは幻聴かと思った。しかし、そうではなかった。彼女は入り口の扉付近に立っていた。


「……私のこの指を賭けてのギャンブル。とてもゾクゾクしますわ。」


 それは、黒髪の美少女。年は高校生くらいだろうか。見たことのない制服を着ている。この夕暮町にある高校の制服ではないようだった。


「ああ、もう来たアルか?御堂タケル。この娘があなタノ対戦相手。……ウワバミ蛇子(へびこ)サンネ。」


 珍さんが名前だけの簡素な紹介をすると、蛇子さんは再び口を開いた。


「あなたとギャンブルが出来て嬉しいですわ。さぁ、一緒に賭けて狂いましょう!ポチ……ではありませんでしたね。御堂タケルさん……。フフフ……ハハハハハハ!」


 正気とは思えない狂気の高笑い。


 ………一体全体なんのセリフだ?厨二病かなんかなのか、この姉ちゃんは……?

 と、タケルは心の中で呟いていた……。


お時間ありましたらあらすじ.更にお時間頂ければ1話からお読みください。

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