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都市伝説事典  作者: ニカイドウ
幽体離脱編
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4話 指狩りジャンケン

連日投稿4日目です!お楽しみください。

「指狩りジャンケンッ?な、何なんだよその恐ろしい名前のジャンケンはっ………!!!!!!」


タケルは大声でツッコミを入れる。


「……ナニ、やルノ?やらナイノ?」


珍さんの声がさっきまでのおちゃらけたものから鋭く冷たいものへと変わる。

タケルは珍さんがマフィアであることを忘れ、そのマフィアにツッコミを入れてしまった事を後悔する。


「あ、いや……。」


タケルは珍さんの声に完全にひるんでいた。そこにつけ込む隙が生まれた。

珍さんはマフィアだ。それを見逃すはずはないのだ……。


「あんタッ!!」


ビクッ!!!


タケルはその大声に硬直する。

俺はジャンケンをするまでもなく肉塊と成り果てるかもしれない。タケルは自分の運命を呪った……。

そんなタケルの様子を知ってか知らずか珍さんはゆっくりと口を開く。


「……私ハ君たチの幽体離脱に対すル思いヲ信じテココへ連れテ来タヨ。それナのニ、ココ二来テ諦めルト言フノ?君たチの幽体離脱へノ思いハ、ソンナもノだったカ!!?」


「へ?」


熱い。珍さんの言葉が妙に熱い。幽体離脱への並々ならぬ思いがその言葉に熱をおびさせているのか?

……本まで出してるんだもんな。とタケルは心で思った。

しかし、彼はマフィアだ。俺たちは子供だ。生きたままのほうが高く売れるのかもしれない。もしかしたら幽体離脱を理由にして、俺たちを中国に連れて行くつもりかも知れない。そんな事を考えていると……


「君たチノ幽体離脱へノ思いハどれほどノ モノかト聞いテルヨ!!!」


珍さんは少しニュアンスを変えて、再び同じ質問をする。すると、今まで何も言わなかったじゅんぺいが……。


「……オレ、やるわ。珍さん!オレ、指狩りジャンケンやる!幽体離脱したいからっ!!」


なぜか目を輝かせながら答える。

……こいつ、もしかして珍さんに感化されてる?


「君ハどうすルネ?」


珍さんの問いにタケルは答えをためらう。すると……。


「こいつもやるに決まってるよ!な、タケル。」


じゅんぺいが俺の分の返事を勝手に返した。そして俺の方に小声でこう伝えた。


「幽体離脱して記憶を取り戻すんだろ?な?」


そうだ。じゅんぺいの言う通り、記憶を取り戻すためにも幽体離脱をしなければいけないんだった。

タケルは、覚悟を決めて答える。


「ああ、そうだな。指狩りジャンケン、やってやろうじゃねーか!」



「じゃ、ルール説明すルヨ。ヨロシ?」


珍さんは、そう言ってルールの説明を始める。


「まずハ、両手賭けルカ片手賭けルカ決めルね。デモ、君達まダ子供だかラ今回ハ片手が良いノコト。」


……まず初めから物騒な説明だ。負ければ手を失うのか?怖くて珍さんには聞けない。怖さで耳がおかしくなる。タケルはゴクリと唾を飲んだ。


「そしテ、片手賭けるトハ5本ノ指使えルト言フ事。君達ハ、5本ノ指使テ コレカラ来る対戦者トジャンケンするヨ。ジャンケンは君達ノ知ってルのト同じネ。タダシ、出せル手ハ、指ノ数足りてルものダケ。」


「指の数……?」


タケルは疑問に思った部分を口に出す。


「そうヨー。重要なノはココネ。ジャンケンの時、グーなら1本、チョキなラ2本、パーなラ5本の指必要ネ。そしテ負ケノ時ハ、そノ本数分ノ指失ウのコト。例えバ片手賭けル時なラ、パーを出して負けハ モう ゲームオーバーネ。グーやチョキデ負ケなら続けられルけど、指5本必要なパーはモウ出せナイネ…。つまリ勝った者ガ負けた者ノ指ヲ狩るワケヨ。そしテ、どちラかガ指全テ失ウまデ勝負ハ続クヨ……。」


「それってさ、負けたら本当に指を取られるって事なのか?」


じゅんぺいが確認する。それは、タケルが怖くて聞けなかった事だ。

珍さんは笑いながらこう返した。


「はっはっハ。そレ今かラ説明すルネ。指ハ、一本100万円。勝負が終わっタ時点デ集計すルヨ。自分ノ残っタ指ト相手かラ狩った指の合計かラ、始めに賭けた指の数を引いタ額が取り分ネ。片手なラ500万円、両手なラ1000万円引くヨ。」


「ちなみに、その額がマイナスの場合はどうなるんですか?」


タケルは、恐る恐る質問する。


「その時ハ借金すルか、残リノ指賭けテ再戦すルかヨネ。ま、君達にハ特別ニ始めに賭ける片手分の500万円ハ無しニしてアげルから。勝てバ勝つダケ儲かるネ。」


「やったーっ!!早くやろうぜ!珍さん!」


じゅんぺいが浮かれる。

タケルはその説明に不安を感じるが、どこが不安なのかはわからない。

……甘い匂いがする。これはお香か何か…?


「……フフ。それハ、二人ノ了承を得タト認識すルヨ!でハ、対戦者ニ入っテもらうネ!」


珍さんが高らかに宣言する。


「あ、待っ……。」


タケルの言葉はもう遅かった。タケル達が入って来た扉が再び開き、一人の男が姿を現わす。それはヨレヨレのシャツにボサボサの長髪の男だった。


「彼ノ名ハ、界二郎(カイジロウ)。君達の対戦相手アルヨ。」


と、珍さんは言った……。


これはオマージュです。リスペクトです。


よろしければあらすじや、1話からお読み下さい。よろしくお願いします。

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