# 第一話 ## 「勇者、初日に悪役に告白される」
# 第一話
## 「勇者、初日に悪役に告白される」
「勇者様です!」
「勇者様が現れたぞ!」
「世界を救ってください!」
王城の大広間。
ユウトは大勢の貴族たちに囲まれていた。
(いやいやいや……)
(昨日まで普通の高校生だったんだけど!?)
王様が立ち上がる。
「勇者ユウトよ!」
「魔王を倒してくれ!」
「はい!」
勢いで返事してしまった。
すると王様は満足そうに頷いた。
「では最初の任務だ」
「近くの森に現れた盗賊団を討伐してこい」
「え?」
「え?」
こうして勇者初仕事が決まった。
---
翌日。
ユウトは騎士たちと森へ向かった。
盗賊団のアジト。
そこにいたのは――
赤髪の美少女だった。
黒い革の服。
鋭い目。
腰には二本の短剣。
「私は盗賊団の頭領」
「リリナだ」
美人だった。
かなり。
ものすごく。
騎士たちが叫ぶ。
「捕まえろ!」
「勇者様!」
「やっちゃってください!」
ユウトは剣を構える。
「悪いけど捕まってくれ!」
「ふふっ」
リリナが笑った。
次の瞬間。
彼女は一瞬でユウトの目の前に現れた。
「速っ!?」
「勇者様」
「ん?」
「私と付き合わない?」
「は?」
騎士たち全員。
固まった。
「え?」
「今なんて?」
「付き合う?」
ユウトも混乱する。
「なんで!?」
「一目惚れしたから」
「はぁ!?」
勇者人生初日。
悪役に告白された。
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その夜。
王城。
騎士団長が頭を抱えていた。
「討伐は?」
「失敗しました」
「なぜだ」
「盗賊団全員が勇者様のファンクラブになりました」
「意味が分からん」
その頃。
ユウトの部屋の窓が開いた。
カタン。
「こんばんは♡」
「うわぁぁぁ!?」
現れたのはリリナ。
「な、なんでいるの!?」
「会いたかったから」
「帰れ!」
「嫌♡」
ベッドに座るリリナ。
「勇者やめて私たちの仲間にならない?」
「ならないよ!」
「じゃあ結婚は?」
「話が飛びすぎ!」
リリナは楽しそうに笑った。
その時だった。
窓が再び開く。
バキィン!
「勇者様!!」
今度は銀髪の少女だった。
黒いマント。
魔族の角。
絶世の美少女。
「私は魔王軍四天王のエリス!」
「勇者様を迎えに来ました!」
ユウトは叫ぶ。
「なんで敵ばっかり来るんだよ!!」
エリスは頬を赤く染めた。
「だって好きですから!」
「増えたぁぁぁ!!」
こうして勇者ユウトの苦労の日々が始まった。
しかし彼はまだ知らない。
数日後――
魔王の娘まで告白してくることを。
## 第二話予告
**「四天王と盗賊団長、勇者を取り合う!」**
リリナVSエリス開戦!?
勇者の部屋が戦場になる!?
そして現れる第三の悪役美少女――魔王の娘!
勇者ユウトの平和な日常は今日も来ない!




