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行方不明のケフェウス
5つ星のカシオペアは
道標として北極星の傍に座す
岩に括られたアンドロメダは
眩い星雲を身に纏う
勇猛果敢なペルセウスは
彼女の鎖を断ち切るために剣を構える
大きな四角を辿ってみれば
秋の象徴・ペガススが羽ばたく
それなのに
一体どこに行ったのでしょう
どうして見つけられないのでしょう
寛大な夫は
温厚な父は
聡明な王は
何度辿っても見失ってしまう
灰色の雲に隠れてしまう
傍にいるのだろうけれど
皆を想っているだろうけど
当たり前のように見えなくて
ちょっと待って
いなくては困るの
まだ私たちは
あなたを失いたくない
見守ってくれているのだろうけど
悪戯も許してくれたのだろうけど
まだ私たちは
あなたに返し足りてない
ケフェウスを見つけ直す夜
もう少し素直になれたら
(秋空でケフェウスが見つけづらいのを兼ねて。父へ)




