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贖罪  作者: 北村 達也
63/320

贖罪63

 「別れの道」を通った魂は20メートルほどのトンネルを進む。


 左右には永遠に消えることのない蝋燭があり、内部を照らしている。


 先には光が見えて、やがてトンネルを抜けると目の前に幅が2メートルほどの「選別の川」が現れる。


 その川は、ずんぐりした魂がその中に入ると丁度いい感じで収まる幅となっていて、川以外はなにもなく真っ白な空間が広がっている。


 ここにもスタッフが配置されていて、魂が道を間違えていないかの再確認をするために、ヒトの門を通って来た魂に対してヒトの言葉で「こんにちは」と魂に話しかける。


 魂が同じ言葉を使って返せば順番を待って川に入っていくが、間違ってしまった魂はそこに用意されている直径2メートルで円形の雲に乗って門に戻り、新たに並びなおす必要がある。


 一つ一つ、魂は川にチャポンという音を立てて入っていく。


 先ほどまで浮遊していた魂はここでは浮遊せずに、魂の下部が僅かに川に浸かる。


 平たんな川は、進んでいくとやがて上の天国へ行く川と、下の地獄へ行く川に別れる。


 どちらの川を進むのかは魂の色で判別が行われる。


 地獄へ行く川はあたりが暗くなっていき、蝙蝠が飛び交い、ときどき目の前をかすめて飛んで魂を驚かせる。


 下に行くほど段々と熱くなってきて、魂は落ち着かなくなっていく。


 下へ行くほど川は早く進み、地獄へ着くと吐き出されるように川から出される。


 吐き出されて地面に着地すると同時に死んだときの肉体が戻り魂もそこに戻り、本人格が再び働きだす。


 辺りを見回すと檻に囲まれていることに気が付く。


 檻は建物に通じていて、順に中に入るように言われ、そこで地獄での刑が宣告される。


 天国行きの川はあたりが明るくなっていき、左右には木々が見られるようになり、鳥たちが木に留まって囀り魂を癒し、遠くに見える虹のかかる滝は魂を魅了する。


 上を見れば空が広がり、時折吹く風は涼しく感じる。

 

 ゆっくり進む川に流されるまま、プカプカと浮かぶ魂はうっとりとして進んでいく。

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