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贖罪  作者: 北村 達也
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贖罪21

「馬鹿を言うな!小さい頃からそういう境遇ならまだしも、お前はずっといい暮らしをしてきたんだぞ?今更そんな生活が耐えられる訳ないだろう!」


「家具みたいに扱われて長く生きるより、たとえ短い命でも私を大切にしてくれる人のために花のように美しく咲きたい。」


「また花か!ピオニーもそうだったが、お前もなんだってあんなすぐに枯れるものに手間をかけるのか俺には理解できないよ!」


「美しいわ。綺麗なお花は私の心にお花を咲かせる。美しいけれど、弱く、儚い。まるで人のよう。

花とは人。花を愛することができるなら人も愛せるし、人を愛することができるなら花も愛せる。

愛とは一方的に与えるものではなく、相手が求めるものを与えること。

赤ん坊はフルコースの食事なんて求めてない。求めているのは母の乳房で、母はそれを与える。

愛は人間の根本。根が水を吸い上げることができなければ花が枯れてしまうように、

人は愛なくして生きられない。お花を咲かせるのにお金はたくさんいらない。

お花にお金を渡したところで、お花は人の作った物に価値がないことを分かってる。

必要としているのは水、空気、光、土。それらは自然に備わっているもの。

パパの紹介したお金持ちたちは高価な物にお金をかけないと満足できないみたいだけど、

美しいものにお金なんてかからない。自然に備わっているものがお花を咲かすように、

人を美しくするのはお金みたいに後から手に入れるものではなくて、人に本来備わっている愛。

パパは私に色々買ってくれるけど、私はそんなの求めてない。私が欲しいのは愛。

パパが私の話を聞いてくれて、私とご飯を食べてくれて、私と一緒に過ごしてくれればそれで充分。

高価なものなんて必要ない。愛のない結婚をすれば私は枯れてしまう。私はお花のように大切にされたい。

茎を切ったり、お水を変えたりすることが花には必要なように、

相手に手間をかけてしまうかもしれないけれど、大切にしてくれれば私は綺麗に咲くことができる。

綺麗に咲いたら私はそのお返しに、その人の心に綺麗なお花を咲かせることができる。

私の愛する人の花に私はなりたい。だからパパ、私が好きになった人と私は結婚するわ。」

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