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1126話 糸の先にあったのは




 目覚めたメグミが、<信念のダンジョン>で起きた諸々のことを聞き拍手喝采している頃……


 捨てゼリフを吐いて試験をバックれ、地獄世界に戻ってきた神々は、今更ながら"大きな問題があること"に気付いた。



「なぁ、黒幕の居場所って……どこだ?」


「知らねぇよ! 動く前の調査は基本だろう? どうしてお前、その程度のことも調べていないんだ?」



「…………お前も、知らないなら同類じゃねぇか。鏡見て発言しろよ」


 そう、誰一人として「黒幕の居場所」を把握している者がいなかったのだ。



 ランクの差こそあれど彼等は神であり、普段そういう調査は"配下の悪魔執事"が"気を利かせて"おこなうため、自らの手で調べることなど殆どない。


 そのため無意識のうちに「誰かがやって情報を揃えてくれるもの」という勘違いが先行し、取り返しがつかなくなるまで墓穴を掘ったことに気付かなかった。



「ちょっと待て、どうするんだよ!? メグミをピエロに据えて操っている"真の実力者"と直接会い、其奴に派閥入りの交渉を持ちかける。なのに、其奴の居場所は分かりません? はぁ? なんの冗談だ!?」


「マズイな。試験会場の門はもう閉ざされているぞ。戻って場所を確認したくても、これじゃ出入りできないじゃないか!」



「それ以前に、俺達……裏口ルートを見つけたとイキって、かなりキツイ捨てゼリフを吐いちまったぞ。今さら戻れねぇよ。情けない」


「のこのこ戻ったら、恥晒しもいいところだからな」






 彼等は「戻ったら、歓迎こそされないものの受け入れてもらえる」前提で話しているが、当然そんな事はない。


 門はピッチリ閉まり、彼等の元いた派閥にも、不合格理由と共に「其方でお引き取りいただけると幸いです」のメッセージが送られた。



『いや、今さら要らねぇよ。あんな裏切り者、再び抱え込んでもいつ出ていくか分かったもんじゃない』


『一度裏切った奴は二度やるしな。上級神<メグミ>の所でも、調子に乗って捨てゼリフを吐いたんだろう? そんな不義理野郎に食わせる飯はねぇ!』



 もちろん同じように捨てゼリフを吐かれ裏切られた古巣は、彼等の受け入れを拒否。


 <農民><小鬼>同盟からの要請に対して、「申し訳ないのですがウチでも預かり切れないので、ここは放逐という形で〜〜」と、ポイ捨てを宣言している。



 そりゃあそうだ、誰だって「折角出て行ってくれたゴミ」のカムバックを許したくなどない。


 しかも古巣の上層部的には、「管理世界の権限を剥ぎ取って子飼いの神に与えることで、派閥を自分の城に変えたい」という欲がある。



 つまり……今さら戻ってこられても、邪魔なのだ。


 何処かでのたれ死んでくれたら、万歳!


 どうせなら、死亡報告をおこなっている<メグミ派閥(仮)>の領内でくたばって欲しかった……というのが本音だ。



 そういう裏事情を知らない彼等は、呑気に「戻ったら〜」とありもしない選択肢を挙げているが、もはや時間の無駄である。


 彼等に残された選択肢は、いるかどうかも分からない「真の黒幕」を探して、手がかりなしで地獄世界を彷徨う。


 もしくはホームレス神になり、いずれ来る「格下狩り」に怯えつつ隠れて暮らす……の二択だけだ。



 いや、自刃や下僕待遇での他派閥移籍も「手段(笑)」の一つではあるか。


 プライドの塊である彼等には受け入れがたい話だが、もっとも現実的かつマシな選択肢なのだ。






 そして彼等は……とっとと旅立てばいいのに、なぜか「<サルトー区・ポルカト界>と地獄世界を繋ぐ次元スポット」の側で、"立ちんぼ"を始めた。


 言葉に出すのはプライドが許さない。



 とはいえ真の黒幕の居場所が分からない以上、何もない虚無空間をただ彷徨って迷子になるのも嫌なので……


 「こうやって立っていたら、戻してくれないかな〜? チラッ。チラッ」ムーブを決めこんだのだ。



 当然そんな"立ちんぼ攻撃"が通じるほどアスタリアは甘くなく、速攻で式神の監視映像を切られて、文字どおり「無意味なチラリズム」にされてしまう。


『せめてサーシャみたいな可愛い女の子だったら、一度くらいは赦すのにね〜。男女差別野郎のチラリズムとか、キモいだけなのよ!』



 一応、アスタリアの古参眷属が映像のバックアップを取ってはいるものの、今後それが誰かの目に入ることはないだろう。


 誰も、自意識過剰なオッサン&爺さんのチラリズムに興味はないのだ!



 同じチラリズムでも、モンティートとナーティーが担当している、「布面積が極端に小さい女装服」を制服として強要されたゴミ神達の惨状は……


 衝撃的すぎて二度見してしまうが、誰も見ていないところで、面白くも凄惨でもない絶妙にキモい「チラッ。チラッ」をかましても、無視されるだけである。



『あっ、でも非合法なやり方で戻ってこようとするのは歓迎よ。殺神は経験値の恩恵大きいから、許されるならサクサク処したいもの』


 そんなアスタリアの非情な評価だけが、チラリズムが跋扈するカオスな虚無空間に響く。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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