表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1116/1136

1116話 その場でだけ分析する奴


〜とある神side〜




 初めは楽勝だと思った。


 よくいる意識高い系女が創った、「見た目だけ綺麗で中身スッカラカンなダンジョン」……そう見くびっていた。


 だけど違う、このダンジョンは魔境だ!



「(フロア内に居座るだけなら難しくはない。だが先へ進む手がかりが、どういう訳かすぐ消えてしまう!)」


 通常、攻略法を調べていなかったり初めて踏み込むダンジョンの場合、眷属に調査させるか……


 神力<マッピング><アナリティクス><トラップガード>を使って、ダンジョンの詳細を把握してから動く。



 ダンジョンと言うのは、魔王が時間をかけて創った"自身の城"であり、格上をも呑みこむ一撃必殺の罠があったりするから、注意を払うものなのだ。


 いくら魔王が神に比べて格下の雑魚といっても、攻防戦では基本的に防御の方が圧倒的に有利であり、ダンジョン戦だとその傾向が特に強いから。



 まぁ殆どの場合、魔王が雑魚すぎて警戒しなくても楽々突破できるのだが……


 稀に踏むと厄介なトラップも置かれているため、護身の意味でも神力を使った調査は欠かせない。



「(だがこのダンジョン、そうやって検出したポイントが数分後には消えてしまう! おそらく、フロア全体が流体構造になっているのだろう)」


 こういう場合は、眷属に人海戦術で調査させるか、数が武器の下僕モンスターを召喚するのがセオリーだが……


 タチの悪いことに、このダンジョンは「エネルギーを使うアクション」を発動すると、制御がおぼつかなくなったり追加コストを取られる仕様になっている。



 先がどれだけあるかも分からないのに、この状況で不安定な「エネルギーを使うアクション」を乱発して、調査をおこなうのは……


 机上の空論では最適解であっても、現実問題"不可能"だ。






<−−− ドガアァァァーーーンッッッ!!!! −−−>


<−−− ガコンッ! バコンッ! ドゴドゴドゴゴォォォンッッ!!!! −−−>



 そして自滅に近いカタチで足を引っ張る、同じ試験を受けたライバル達。


 いくら私が綿密に調査をしても、奴等が派手に周辺環境を壊すせいで、マッピングデータがさらに狂うのだ!



「(フロア全体が流動性を持っていると仮定した場合、そのエネルギー源となるのは"侵入者が発するエネルギー"であることが多い)」


 動的フロアは静的フロアよりも圧倒的に運用コストがかかり、侵入者のエネルギー無しでは維持が難しく、それに頼るしか安定した運用方法がないからだ。



 なのに、自らその"餌"をくれてやるとは……バカなのか!?


 そんなに派手な攻撃をしたら、衝撃でダンジョンのオブジェクト自体が(流体構造の場合)動いてしまうし、鍵となるオブジェクトの破壊リスクもある。



 下民でしかない魔王のダンジョンなら、それでも「力尽くでフロアの底をぶち破って奥へ進む」方法も、無くはないが……


 試験官<アスタリア>は、成り立てホヤホヤの赤子神とはいえ"中級神"だからな!?


 上級神ならいざ知らず、我々が「有利な防御側のフロア」を物理攻撃でぶち抜くなんて、不可能だぞ!!



 むしろ魔法攻撃完全NGでない分、余剰に取られるコストは全てアスタリアの財布に入ると、考えるべきで……敵に塩を送るようなものだ!


 どうしてこんな脳筋共が神としてやってこられたのかと軽蔑する反面、ソイツ等と同じ試験を受けなければならない私自身にも情けなくなる。






「(ふむ。15回目の<アナライズ>結果が出たか。今回も見事に動いてはいるが、これまでの結果および脳筋神共の暴挙と合わせると、全体図は見えた)」


 このフロアは、フロア自体が流体構造になっておりトラップの場所が動くうえ、「オブジェクトの消滅→リポップ」も重ねられた複数構造なのだ!!



「(単一構造であれば、少ない調査回数でも傾向と今後の予測が立てやすいが、複数の動的性質を組み合わされると調査は難航するぞ)」


 特に、「オブジェクトの消滅→リポップ」の方。


 脳筋魔王の破壊予定地など私には想定できないし、リポップ候補地の"散らし"は低コストでできる一方、調査コストはかさむ。



 だからといって同じ試験を受けているライバルに対して、「足を引っ張るな! 止めろ!」と言うのは、奴等に試験のヒントを与えるのと同じ。


 「そうか。その手があった!」と動く競合が増えれば、私の有利は崩れさり、せっかく時間をかけて把握した"わずかな傾向"と"優位性"まで失ってしまう。



 だが、奴等がバカな行動に出る気持ちも……理解はできる。


<−−− カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ…… −−−>


 フロア内で常になり続けるこのタイマー音が、無意識のうちにプレッシャーを増幅し、焦りで理性と判断力を吹き飛ばすのだ!!



「(耳を塞げばいいだけの話だが、魔法で対処するのは"フロア制限によるコスト増"の影響で難しく、物理で塞ぐと妙な圧迫感がある)」


 いや、これは……ダメだな。



 普通のタイマー音じゃなく、脳に直接ノイズとして入るタイプの"タチが悪い"やつだ。


 魔法や結界を使えば(コストさえ無視すれば)防げるが、「耳栓で物理的に塞ぐ」のは不可能と考えた方がいい。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ